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上海総領事館員自殺事件 : ウィキペディア日本語版
上海総領事館員自殺事件[しゃんはいそうりょうじかんいんじさつじけん]
上海総領事館員自殺事件(しゃんはいそうりょうじかんいんじさつじけん)とは、中華人民共和国上海市に設けられている日本総領事館に勤務していた事務官が2004年に自殺した事件を巡り、中国当局の脅迫が背景にあると指摘されている事件である。(以下、役職は当時のもの。)
==事件の経緯==
当該職員は在上海日本国総領事館に勤務する当時46歳で既婚の領事であった。彼は総領事館と外務省の間の通信事務を担当していた通信担当官(現在、電信官の名称はない)であり、機密性の高い文書を扱っていた。報道された杉本信行総領事宛の遺書〔読売新聞 2006年3月31日 総領事館員の遺書(要旨)〕の内容によると経緯は次のようなものである。
2003年当時、この館員はある中国人女性と交際していた(交際の詳細不明)。彼女は6月に上海市長寧区の虹橋地区にあるカラオケ店において、中国の情報当局により売春容疑で拘束された。当局はこの女性を処罰せずに翌日釈放した。この女性を連絡役として、情報当局は館員と連絡をとるようになった。接触したのは40歳代の「公安の隊長」・唐(名前)と、20歳代の通訳・陸の二名である。
2004年2月20日に、館員の自宅にある文書〔現物が残されている。報道(例;上記読売新聞の記事)では取材源秘匿のために現物を見て再現したものが掲載されている。〕が配達された。国家安全部を名乗り、館員、総領事または首席領事のいずれかと連絡を取りたいと要求し、携帯電話の連絡先を記してあった。注として公衆電話を用いること、金曜か日曜の19時から20時の間に連絡することが記されていた。館員が上記の隊長にこの文書について相談すると、隊長は2週間後に、文書の作成者を逮捕したことを告げた。館員の遺書によると、これはすべて彼らが仕組んだことだとこのとき気付いた、とある。つまり「逮捕」は館員に恩を売るための芝居であった。
これを機にして、隊長は態度を急変させ、在ユジノサハリンスク日本国総領事館への異動が決定した館員に対し、5月2日に「なぜ黙っていたのだ」(中国語で書かれた総領事館の全館員の名簿を見せ)「出身官庁を教えろ」と詰め寄った。さらに「おまえが電信官であることも、その職務の内容も知っている」「館員が接触している中国人の名を言え」「我々が興味を持っていることがなんであるのか分かっているんだろう」「国と国との問題になる」「仕事を失い、家族はどうなるのだ」などと、3時間に渡り脅迫した。館員は一旦協力に同意し、隊長に対し同月6日の再会を約束した。
その後この館員は、中国側がさらに重要な情報である領事館の情報システムを要求することになるであろうと考えた。外交の世界では「公電」という暗号化した電報を使って本国とやり取りを行う。領事館の暗号システムが中国側に漏洩していれば、日本領事館(場合によっては他の在外公館も)の動きや外務省の意思は全て中国側に筒抜けになり、外交の上で決定的に不利な状況に置かれる恐れがあった。
結局、館員は同月5日に合計5通の遺書を綴り、6日午前4時頃、領事館内の宿直室で自殺した。総領事あての遺書には「一生あの中国人達に国を売って苦しまされることを考えると、こういう形しかありませんでした」「日本を売らない限り私は出国できそうにありませんので、この道を選びました」と記されていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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