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上総掘り(かずさぼり)は、掘り抜き井戸の代表的な工法。やぐらを組んで大きい車を仕掛け、これに割り竹を長くつないだものを巻いておき、その竹の先端に取り付けた掘鉄管で掘り抜く。古くから上総国を中心に行われた。 掘削機械の導入が進んだ現在の日本で井戸掘りに用いられることはない(例外として、神奈川県鎌倉市には上総掘りによって掘られた自噴式の井戸が存在する。)が、人力のみで500m以上の掘削が可能である事から開発途上国への技術指導が行われている。 上総掘りの用具が重要有形民俗文化財に、上総掘りの技術は重要無形民俗文化財に指定されている。 径5~15cm、深さ150~500mの穴が地中に向かって掘られる。 ==工程== 基底3m×3mほど、高さ約10mのやぐらを建てる。その一方に径約4mの木製、多角形の踏み車を、踏み車の上方に数本、丸竹かスギ丸太をたばねた「はねぎ」を設ける。はねぎに、孟宗竹の皮つきのままつくった幅49mm、厚さ10mmの「へね」(ヒネとも)という割竹を連結させ、鑿をかけつるした杵をつるす。操作はすべて人力で、はねぎの弾性を利用して、竹桿を上下させ、また撚り鑿に衝撃および回転をあたえ、鑿進するものである。竹桿および鑿を穴から引き上げるには、人が踏み車の内部にはいって、ちょうどハツカネズミが車を回すように、竹桿を巻き取る。 鑿進作業は、5~6人で、1日、3~4m、鑿進することができる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「上総掘り」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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