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数学、とくにリーマン幾何学あるいは(局所)コンパクト群の調和解析において上半平面(じょうはんへいめん、upper half plane)は、虚部が正である複素数全体の成す集合をいう。上半平面は連結な開集合であり、それがリーマン球面に埋め込まれているとみなしたとき、その閉包を閉上半平面と呼ぶ。閉上半平面は上半平面に実軸と無限遠点を含めたものである。(開いた)上半平面を慣例的に ''H'' や H あるいは と記す(このとき、下半平面は ''H''− や H− などと書かれ、対比的に上半平面を H+ などと記すこともある)。上半平面は、リー群の表現論やロバチェフスキーの双曲幾何学などの舞台として数論・表現論的、幾何学的に重要な役割を果たす。 : または : : : == 双曲モデル == ポアンカレの上半平面モデルと呼ばれる双曲幾何のユークリッド空間内での実現がある。このモデルでは、計量が : で与えられていて、実軸に近づくほどに空間が歪んでいる。双曲幾何のモデルとしての上半平面における「直線」(測地線)は、両端がそれぞれ実軸に直交する円周(直線も半径無限大であると見なして円に含める)である。上半平面を単位円板 : に写す正則な全単射 : : が存在して、上半平面モデルは単位円板モデルと呼ばれる計量 : をもつ実現と互いにうつりあう。これは二つのモデルがリーマン面として解析的同型であることを意味している。これらの閉包もやはり解析同相となるので、閉上半平面はコンパクトリーマン面になる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「上半平面」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Upper half-plane 」があります。 スポンサード リンク
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