|
関数の不定積分という用語には次に挙げる四種類の意味で用いられる場合がある。 (逆微分) 0) 微分の逆操作を意味する:すなわち、与えられた関数が連続関数であるとき、微分するとその関数に一致するような新たな関数(原始関数)を求める操作のこと、およびその原始関数の全体(集合)〔不定積分あるいは原始関数を求めることを''積分する''という〕を 逆微分としての不定積分(antiderivative)と言う。 (積分論) 1) 一変数関数 に対して、定義域内の任意の閉区間 上の定積分が に一致する関数 を関数 の 不定積分 (indefinite integral)と言う。 (積分論) 2) 一変数関数の定義域内の定数 から変数 までの(端点が定数でない)積分で与えられる関数を関数 の を基点とする不定積分 (indefinite integral with base point )と言う。 (積分論) 3) ルベーグ積分論において定義域内の可測集合を変数とし、変数としての集合上での積分を値とする集合関数を関数 の 集合関数としての不定積分(indefinite integral as a set-function)と言う。 海外の数学サイトでは wikipedia を含めて主として上記の (逆微分) 0) を記述している場合が多いが、岩波書店の数学辞典や積分論の現代的な専門書では上記の (積分論) での不定積分が記述されている。ただしこれらはそれぞれ無関係ではなく、後述するように、例えば (積分論) 1) は (積分論) 3) を数直線上で考えたものであって (逆微分) 0) と同等となるべきものであり、(積分論) 2) は本質的には (積分論) 1) や (積分論) 3) の一部分と見なすことができる。また (積分論) 2) から (逆微分) 0) を得ることもできるが、この対応は一般には全射でも単射でもない。これ以後、この項目で考える積分は、特に指定がない限り、リーマン積分であるものとする。 また後述するように、(積分論) の意味の不定積分を連続でない関数へ一般化すると、不定積分は通常の意味での原始関数となるとは限らなくなり、(初等数学) と一致しなくなるのだが、連続関数に対してはほぼ一致する概念であるため、しばしば混同して用いられる。 == 逆微分の定義 == 関数 (積分される関数という意味で被積分関数という) が与えられたとき、微分方程式 の解となる関数 各々である特殊解を の原始関数といい、解となる関数 全体である一般解を の 逆微分としての不定積分 という。 関数 の不定積分は、端点を指定しないリーマン積分の記法(ライプニッツの記法)を用いて のように表される。 定義から、不定積分は一つの関数を表すものではないことに注意すべきである (実際、一階の微分方程式の一般解なのであるから、少なくとも一つの積分定数と呼ばれる任意定数を含む)。ただし、実用上は任意定数の値を決めるごとに原始関数が一つ現れるから、あたかも一つの関数であるかのように扱うことができる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「不定積分」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|