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『不幸な子供』(ふこうなこども、)は、絵本作家のエドワード・ゴーリーによるアメリカの大人向け絵本。1961年刊行。日本では柴田元幸の訳により2001年に発行され、日本図書館協会選定図書、全国学校図書館協議会選定図書に選定されている。 == 概要 == ゴーリーの8冊目の絵本であり、当時のゴーリーはさほど名声を得ていなかったものの、発行当時はゴーリーの作品の中でも最も売れ行きを示した作品である〔柴田 (2001)、「訳者あとがき」より。〕。 主人公がことごとく不幸に見舞われるという、アメリカの児童文学『小公女』を髣髴とさせる物語であり〔、「ゴーリー版小公女」ともいわれるが〔濱中編 (2002)、50頁。〕、実際に本作品のモデルとなったのはフランス映画『パリの子供 (L'enfant de Paris)』とされる〔。『小公女』と『パリの子供』の共通点は、不幸のどん底に陥った主人公が最終的には善人に救われるという展開であり、特に『パリの子供』は寄宿舎から無頼漢へといった主人公の経緯が本作と共通しているが、最終的に主人公が救われるという、ヴィクトリア朝時代の物語に多く見られる定型が、本作では無情に覆されていることが大きな特徴である〔。 あまりの不幸の連続に、読者は最終的には主人公がどこかで助かることを想像せずにはいられないが、結局は不幸のままで物語が終わっており、不幸の連鎖と救いようのない主人公を徹底的に描いた無類の傑作との評価もある。実際に本作を読んだ読者からも、非常に暗い物語にもかかわらず、前述の『小公女』のようにハッピーエンドに終わらず、現実的に暗いままで物語が終わることを評価する声が多い〔濱中編 (2002)、100頁。〕。日本の絵本作家・荒井良二は、読むうちに様々なことを想像できる作品として、本作品を強く推している〔。日本の大阪狭山市立図書館では、2010年に「泣ける本」として推薦された40作品の中に本作の名が挙げられている。 またゴーリーの作品の挿絵は、細い線を多用した暗い背景がトレードマークといえるが、本作では主人公の暗い運命の暗示のごとく、その特徴的な絵が一際強調されており、ゴーリーがこの画の描写に力を使い果たしたために本作の製作が4年間も中断されたという説すらある〔。さらにどの背景画にも小さな怪物の姿が描かれており、これが悲劇的な雰囲気に一役買っていることも特徴的である〔〔。 本作はゴーリーが大学時代の友人の女性に捧げた作品とされる。その女性は32歳の若さで他界しており、その点が本作の主人公と共通しているといえなくもないが、性格は本作の主人公とはうってかわって奔放であったようで、ゴーリーが本作を捧げた理由は、ゴーリーが他界した現在では知る由もない〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「不幸な子供」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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