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不道徳教育講座 : ウィキペディア日本語版
不道徳教育講座[ふどうとくきょういくこうざ]

不道徳教育講座』(ふどうとくきょういくこうざ)は、三島由紀夫評論随筆。三島の純文学作品では窺えない機知逆説笑いにあふれた内容で、人気が高い作品である。「知らない男とでも酒場へ行くべし」「人に迷惑をかけて死ぬべし」「スープは音を立てて吸ふべし」など、世間良識的な道徳観や倫理に反するタイトルが、それぞれ70章に及ぶ各章に付され、中国の『二十四孝』をもじって親不孝の話を並べた井原西鶴の『本朝二十不孝』式パロディに倣っている〔奥野健男「解説」()〕〔広瀬正浩「不道徳教育講座」()〕
1958年(昭和33年)、雑誌『週刊明星』7月27日創刊号から翌年1959年(昭和34年)の11月29日号まで連載され、その間に映画化、松竹新喜劇化、連続テレビドラマ化もなされた〔井上隆史「作品目録」()〕〔「年譜 昭和33年-昭和34年」()〕。単行本は、前半部が連載中の1959年(昭和34年)3月16日に中央公論社より刊行され、続編は翌年1960年(昭和35年)2月5日に刊行された〔山中剛史「著書目録――目次」()〕。文庫版は角川文庫で刊行されている〔。なお、「暗殺について」の章は、初版単行本以外は削除されている〔〔田中美代子「解題」()〕。
翻訳版は、韓国の李時哲訳、中国の陳玲芳・古里訳(韓題・中題:不道徳教育講座)で行われている〔久保田裕子「三島由紀夫翻訳書目」()〕。
== 作品背景 ==
三島が作中冒頭で説明しているように『不道徳教育講座』は、井原西鶴中国の『二十四孝』をもじって、選りに選った「親不孝者」の話を並べた『本朝二十不孝』に倣ったものである。三島は、「自分が親不孝だと思ふことが孝行のはじまり」だから、西鶴の本は「なかなか益がある」と説明している。
また、初刊から10年後の1969年(昭和44年)、前・続編の合本の単行本刊行の際に三島は、「例の安保闘争より二年前の世相を反映してゐるから、今から見ると、何かとズレてゐることはやむをえない」とし、初刊当時の「が薄まり、逆に常識性が目立つてきた」が、自分がその中で言おうとしていた主旨は、「今日も適用されうると信ずる」と述べ〔「あとがき」(新装版『不道徳教育講座』中央公論社、1969年5月)。〕、以下のようにも語っている。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「不道徳教育講座」の詳細全文を読む



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