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世界紅卍字会 : ウィキペディア日本語版
世界紅卍字会[せかいこうまんじかい]
世界紅卍字会(せかいこうまんじかい、The World Red Swastika Society)は、道教系の宗教団体「道院」に付随する修養慈善団体。戦前の中華民国及び満州において赤十字社に準ずる組織として活動した〔世界紅卍字会日本総会|道院紅卍字会の沿革 日本支部による解説〕。略称として「紅卍会」とも呼ばれる。
== 概要 ==

=== 道院設立 ===
世界紅卍字会の母体である宗教団体「道院」は、民国5-6年(1916年-1917年)頃に山東省濱縣知事であった呉福林と駐防衛長の劉紹基が県署の大仙祠に尚真人の祭祀壇を設け、祭祀壇前にて洪子陶と周徳錫を伴って伝統的な扶乩(フーチ、ふけい)を用いていたところ、ある日「至聖先天老祖(老祖)」降臨の御神託が下りたとされ、これが道院の起源と伝えられる〔道院設立者と宗教上の道名 呉福林(江蘇省出身、山東省濱縣知事、道名:福永)、劉紹基(安微省出身、道名:福縁)、洪子陶(道名:解空)、周徳錫 (道名:吉中)〕。
道院設立にあたって、杜默清や中華民国第4代総統徐世昌の弟である除世光など有力者の一部が設立を支持している〔満蒙の独立と世界紅卍字会の活動 87頁〕。
民国9年(1920年)、杜默清をはじめとする有力者48名の信者が神壇を済南府城内の劉紹基の自宅内に移し、宣教に従事、1921年(民国10年)に道院の設立に至る。
*主祭神 - 黎明期は、扶乩(フーチ、ふけい)に依る乩示(けいじ) を御信託とした天啓宗教で、修養方法等は道教の流れを汲んでいたとされている。宇宙の独一眞神を「至聖先天老祖(老祖)」とし、最上位の神体に準じて、老子(道教)、項先師(孔子の師、儒教の祖)、釈迦(仏教)、マホメット(イスラム教)、キリスト(キリスト教)とされており、加えて歴史的な聖賢哲人を祭祀する包括信仰団体である〔満蒙の独立と世界紅卍字会の活動P84〕。一宗一派に偏せず万教帰一の思想とする。
*乩示 - 天啓として行われた道院の扶乩は、神位の前に置かれた砂上に天啓が現れるというものであった。砂の入った沙盤を90cm程の高さの机上に置き、向き合って立った2人が乩筆(けいひつ)と呼ばれる木製を砂上に渡し、棒の中央に付いたT字型の先の動きによって砂上に表れたものを乩示とし〔支那に於ける宗教の研究 21-23頁〕、宣者が読み上げ、録者が記録、壇訓として掲げた〔1940年以降、乩示から経典による指導形式に概ね移行〕。
世界紅卍字会などの付随組織が派生した頃には、宗教団体として組織化し、北京道院(中華民国内)及び新京道院(満州国)と2ヶ所の総院が各地域を代表し、設立期に利用された劉邸跡は済南道院と呼ばれ最上位機関としての役割を担っていた。〔済南道院は、その設立経緯から別称「母院」とも記録されている。〕

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「世界紅卍字会」の詳細全文を読む



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