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アルダの言語(アルダのげんご)は、J・R・R・トールキンが創造した人工言語群。『ホビットの冒険』、 『指輪物語』、『シルマリルの物語』に代表される、アルダと呼ばれる地球を舞台としたトールキンの創作神話には、多くの人工言語が用いられていた。アルダの言語がたどった歴史を追う事で、トールキンは一つの世界を創造していった。物語に登場する事物の名前や特別な意味をもった言葉には、言語学的な考察が加えられていた。これは、他のファンタジー・SF作品には欠けている要素であった。 アルダの言語について述べるならその二つの側面を考慮する必要がある。一つは、我々の世界における歴史、すなわち、文献学者トールキンがいかにして言語を構築していったかである。もうひとつは想像上の歴史、すなわち、アルダ、そして、中つ国のたどった歴史である。 == トールキンによる言語の創造 == トールキンは古ゲルマン語派、その中でも古英語を専門とする文献学者であった。また、専門外の領域にも興味を示しており、とりわけフィンランド語には特別な感情を抱いていた。(he described the finding of a Finnish grammar book as "entering a complete wine-cellar filled with bottles of an amazing wine of a kind and flavour never tasted before", ''The Letters of J. R. R. Tolkien'', number 163).フィンランド語の形態論、とくにその語形変化はクウェンヤ語(エルフの言語の一つ)を生み出した。他にはウェールズ語も気にいっていて、その音韻がシンダール語(エルフの言語の一つ)に取り込まれた〔 〕。多くの単語が現実の言語から借用されていたが、トールキンが仕事を進めるにつれて借用元を特定することは難しくなっていった。トールキンが存命の間にもエルフの名前や言葉の語源を探す試みがあったが、その多くは信憑性に乏しいものであった。 トールキンにとって言語の創造は生涯続いた趣味であった。13歳になったばかりのころにNevboshという最初の言語を造り上げ、亡くなる時まで言語を造り続けていた。また、言語はそれを話す人々の歴史なしでは不完全であるとトールキンは確信していたために、言語の創造は神話の創造と深いつながりがあった。英語を話す人々による架空の歴史を英語だけで想像しても、それは現実的なものとは言えない。それゆえにトールキンは、自らの作品に対して著者というよりは翻訳者、編集者としての姿勢をとった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アルダの言語」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Languages constructed by J. R. R. Tolkien 」があります。 スポンサード リンク
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