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中国国家図書館 : ウィキペディア日本語版
中国国家図書館[こっかとしょかん]

国家図書館(こっかとしょかん)は中国北京市海淀区西城区にある中国で唯一の国立図書館1. 中国国家図書館概況 (2015年8月閲覧)〕。対外的には中国国家図書館と称されている〔〔呉、邱、金、範、沈『中国の図書館と図書館学』、90頁〕。2012年12月当時の収蔵量は31,195,121点〔National Library of China - Visit Us (2015年8月閲覧)〕。「国の総書庫」「国家書誌センター」「国家古籍保護センター」が中国国家図書館の主な機能である〔。1期新館は外国語文献、中国語や外国語の専門文献を中心とする研究者向けのサービス、2期新館は中国語の新文献や電子情報を中心とする一般向けのサービスを提供し、古書や貴重書を所蔵する古籍館を擁している〔呉、邱、金、範、沈『中国の図書館と図書館学』、92頁〕。
== 歴史 ==
中国国家図書館は、1909年に開館した京師図書館を前身とする。1902年の朝廷で国家図書館の建設が提言され、1909年に清の学部(教育部)は省の図書館よりも上級の国家図書館の建設を進言した〔呉、邱、金、範、沈『中国の図書館と図書館学』、50頁〕。1909年9月から図書館の建設が始まるが、不安定な政情のため建設は捗らず、が仮の図書館の機能を果たした〔呉、邱、金、範、沈『中国の図書館と図書館学』、51頁〕。1911年に清が滅亡した後、図書館は中華民国教育部の管轄下に入る。1912年8月27日から正式に利用者を受け入れる〔。1913年6月に交通の便が悪い本館に代わる分館が都心部に設置され、閲覧のための常用書籍が置かれた。1917年に図書館は方家胡同に移転する〔。
1928年に京師図書館は「国立北平図書館」に改称され、中南海居仁堂に移転した。翌1929年に北平図書館は北海公園内の北海図書館と合併し、北海付近に新館が建てられた。合併当時の蔵書数は400,000を超え、中国最大の規模を有していた〔。
日中戦争の際は重慶に本部を移し、戦争が終結した1945年に北京に戻る。戦時中に多くの善本が移送され、上海に600箱に達する書籍が送られた〔呉、邱、金、範、沈『中国の図書館と図書館学』、67頁〕。上海占領後、当時の館長・袁同礼は日本が進出していない中国の奥地と上海を何度も往復し、図書の運送の指示を出していた〔。絵画、写本など約60,000点の資料が保全のためアメリカに送られるが、これらの所蔵品は1965年国立台湾図書館に送り返された〔藤野『世界の図書館百科』、469頁〕。
1950年に「国立北京図書館」、翌1951年に「北京図書館」に改称される〔。中華人民共和国成立後の社会主義建設の高揚に伴い、これまで蔵書楼的な存在であった図書館は積極的にサービスの改善を展開し、収書、閲覧、レファレンス、書誌業務などが大きく向上する〔平「北京図書館」『アジア歴史事典』8巻、228-229頁〕。1978年の一日の平均入館者は約25,000人で、前年の約1,044人から大きく増加するが、この背景には文化大革命において主要な役割を果たしていた四人組が失脚した後、新しい指導部によって読書に設けられていた制限が解かれ、外国の書物や古典の鑑賞が推奨されたことが挙げられている〔西園寺「国立北京図書館」『世界の図書館』、294頁〕。伝統的な手作業による管理からの脱却が掲げられ、コンピューターの導入による図書資料の管理・閲覧作業の自動化、資料のマイクロ化・視聴覚化が試みられた〔西園寺「国立北京図書館」『世界の図書館』、296-297頁〕。1987年海淀区に図書館の新館が建てられ、これまでの建物は古籍館として利用される。
1995年からデジタル化とネットワークの構築が推進され、同年に電子閲覧室が開室、1997年に図書館のホームページが開設された〔。1998年12月に北京図書館は「国家図書館」に改称される。2001年に国務院は「国家図書館2期ならびに国家デジタル図書館基礎プロジェクト」を承認し、創立99周年記念日の2008年9月9日に2期新館、中国国家デジタル図書館(中国国家数字図書館)が一般に開放された〔呉、邱、金、範、沈『中国の図書館と図書館学』、91頁〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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