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中生動物 : ウィキペディア日本語版
中生動物[ちゅうせいどうぶつ]

中生動物(ちゅうせいどうぶつ,Mesozoa)とは、後生動物としての体組織を完全には備えていない動物である。かつては、1つのにまとめていたが、現在ではここに含めていた群には、互いに系統関係関係がないと考えられている。そのため、中生動物という用語は、分類学的にではなく記述的に用いる。
== 特徴 ==
中生動物門という名称は、1876年ベルギーの Van Beneden が定義した。ニハイチュウという生物が、原生動物 (Protozoa) と後生動物 (Metazoa) との中間に位置をすると考えたからだ。Mesozoa とは、ギリシャ語の mesos(中間)と zion(動物)からの造語。
ニハイチュウは、体長は1mm-10mmの蠕虫(ぜんちゅう)様の動物である。頭足類タコイカなど)の腎臓中に生息する。現在では約90種類が発見されている。ニハイチュウは通常、1個の軸細胞と20個程度の体皮細胞からなる。筋肉組織、消化器などは備えておらず主要器官は生殖腺だけで、細胞数の最も少ない動物の部類に入る。
ただし、生活環は複雑である。生殖形態に無性生殖有性生殖があるからだ。無性生殖の場合、無性生殖する成体と蠕虫型様幼生でサイクルを形成する。有性生殖の場合は、菱型無性虫から滴虫型幼生が発生する。
このように、多細胞動物の体裁は持ちながら、組織や器官が区別できないものが中生動物に含められてきた。かつてはセンモウヒラムシサリネラも一度はこの門に所属させた。これらは自由生活のものであり、後にそれぞれ独立門と見なされた。他にもいくつかこの門に所属させられたものがあるが、この門の中核をなしてきたのは上記のニハイチュウ類と、もう一つ直遊類である。これらはいずれも細長い蠕虫的な動物でありながら、細胞数がごく少なく、内部に組織や器官を持たない。またいずれもが寄生性である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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