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量子力学において量子数 (りょうしすう、) とは、量子状態を区別するための数のこと。 量子数はただ1組とは限らず、原理的には多数存在しうる。状態を区別できるのであれば量子数はどのように選んでも良い。しかし系の物理量がとる値自身、またはそれを区別する数を量子数として採用するしか方法は無い。例えばN粒子系では、各粒子の位置を量子数に選んでも良いし、運動量を選ぶこともできる。このときは量子数は全部で3N個となる。また一次元調和振動子では、位置や運動量を選ぶこともできるが、エネルギー固有値の番号を選ぶこともできる。位置や運動量を量子数として選んだ場合は量子数は連続変数となるが、エネルギー固有値の番号を選んだ場合は量子数は離散値になる〔湯川秀樹、豊田利幸 編 「量子力学 I (新装版 現代物理学の基礎 第3巻)」岩波書店、2011年〕。 == 1粒子系 == 1粒子系のハミルトニアンの固有値問題(時間依存しないシュレーディンガー方程式)を解いた場合、解として多くのエネルギー固有状態・エネルギー固有値(以下、固有値)の組が得られる。解く段階では、それぞれのエネルギー固有状態に適当な番号付けが行われる。この番号が量子数であり、解である多くのエネルギー固有状態を量子数を使って区別する。 一般に得られる固有値は連続ではなく飛び飛びの値を持つので、普通は最もエネルギーの低い固有値をゼロ番目として、エネルギーの低いものから順に高いものに向かって番号付けしていくことが多い。 エネルギー固有状態は次の四つの量子数で区別される。 *主量子数 ''n''() *方位量子数 ''l''(軌道角運動量量子数、) *磁気量子数 ''m''l(軌道磁気量子数、) *スピン磁気量子数 ''m''s() 各量子数には次のような制限がある。 : : : パウリの排他原理によれば「四つの量子数(''n'', ''l'', ''m''l, ''m''s)で決まる一つの量子状態にはただ一つの電子しか入ることができない」。これは一般に半整数スピンのフェルミ粒子(電子など)には当てはまるが、整数スピンのボーズ粒子(光子など)には当てはまらない。 フントの規則によれば「電子は1つずつ等エネルギーで磁気量子数''m''l''''が異なる別々の軌道に同じ電子スピン磁気量子数''m''s''''をとりながら配置されていく」。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「量子数」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Quantum number 」があります。 スポンサード リンク
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