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乳房再建(にゅうぼうさいけん、)とは、外傷や奇形、乳癌除去手術などの理由で形状が大きく損なわれた乳房を再建する形成外科術。 == 概要 == およそ両の乳房は女性のシンボルであり、これを大きく損なった際には女性の精神的苦痛が大きなものとなったり、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)に大きな影響を及ぼしたりすることがある。下着などである程度誤魔化すことは可能であるがそれはわずらわしいものであり、他人との入浴に制限が伴う場合もある〔〔〔。このため、乳房の再建が望まれる場合がある。 アプローチとしては人工材料(インプラント / プロテーゼ / シリコンバッグ)の挿入(本項では以降インプラント法とする)〔〔、真皮脂肪移植〔、皮弁移植(組織移植)〔などの手法がある。 鬼塚(1996または2007)によれば、乳癌手術後の乳房再建が行われたのは1895年のCzernyによるlipoma移植が初であると言う。1963年にCroninがsilastic gel implantを用い、1978年にはRadvanがtissue expansion法を報告。1970年代後半から積極的に行われる様になり、日本ではインプラント法での再建は1976年、背部組織の移植が1979年、腹部の組織の移植が1982年が初のもので、いずれも東京都立駒込病院の坂東正士の手によるものとされる。ただし日本人女性は欧米人と比較して乳房が小さく、下着等で誤魔化しやすいからか、あるいは女性のシンボルである乳房に対する関心の薄さからか、かつては乳房再建を希望する患者は少なかったと言う〔〔*> によれば、都立駒込病院の実績では再建を行うのは全体の40%、50歳未満では70%程度。〕。 片側のみの再建となった場合、乳房の形状や質感が左右で異なる場合があるため、患者が希望すれば健全な側(健側)も患側に合わせて修正するか〔南雲 (2008) p.165〕、或いは切除し、同等の再建術が行われる場合もある。また、再建された乳房は通常の乳房より柔軟性に劣る傾向があり、これは即ち、体位によって柔軟に、様々な形状に変形する通常の乳房に比べれば、再建乳房はあまり体位によっては変形しないことを意味する。従って日常生活の大部分を占めると考え得る立位、座位状態の乳房を基準にデザインが行われるべきである〔。 なお、慶應義塾大学形成外科での1974年1月から1984年12月までの実績によれば、再建術50症例の内、乳癌根治術後のそれは28例、次いでPoland症候群〔先天的に大胸筋と乳房が欠損するもの。外部リンクの節なども参照。〕〔『今日の臨床外科 26』 p.293〕が16例〔であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「乳房再建」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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