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二眼レフカメラ(にがんレフカメラ)とは、ファインダーレンズと撮影レンズの2個のレンズが上下に連なっているカメラ。略して二眼レフともいう。 == 概要 == 二つのレンズは通常縦に並べられ、上のレンズがファインダー用(ビューレンズ)で、下のレンズが撮影用(テイクレンズ)である。ほぼ同等スペックのレンズで共通のピント合わせ機構を持ち、ファインダー用レンズでピントを合わせると撮影用レンズでもフィルム面にピントが合う。一般にファインダー用レンズの方が撮影用レンズより少しF値を明るくしてあり、被写界深度が浅くなることを利用してピントの精度を確保するが、明るい撮影用レンズを備える製品や、普及品ではF値も全く同じ場合もある。ピント合わせ機構は、一枚のレンズボードに両方のレンズを取り付けてそのレンズボードを繰り出す方式と、ファインダー用レンズと撮影用レンズそれぞれのヘリコイドを歯車で噛み合わせて回転させる方式がある。 ファインダー用レンズの後に光を上方に90度反射するミラーが置かれ、カメラ上部に置かれたファインダースクリーンに結像される〔『クラシックカメラ専科』p.191。〕。これを直接見るウエストレベルファインダーのモデルが多いが特に必然ではなく、ペンタプリズムを使ったアイレベルファインダーと交換できるものもある。多くのウエストレベルファインダーはスクリーンの像を拡大表示するためのルーペを内蔵する。併設されるビューファインダーに簡単に切り換えられるカメラも多い。 ファイル:Rolleicord I type2.jpg|前面。ファインダーは収納状態。 ファイル:Rolleicord I type2-Kaihei01.jpg|前面。ファインダーフードを開く。 ファイル:Rolleicord I type2-Kaihei02.jpg|背面。ファインダーは上から覗くウエストレベルファインダー。 ファイル:Rolleicord I type2-Naibu.jpg|背面と底部。フィルムは底面から直角に曲がって、背面上部へ走行する。 フィルム室の構造は、カメラ底部にフィルムを巻いた供給側スプールを収納し、直角に曲げて背面上部の巻取側スプールに向けて走行する方式が一般的である。従って三脚座の付いた裏ブタはL字型をしており、フィルム交換の度に三脚やフラッシュガンを取り外す必要がある。これは大変に面倒であり、ローライのローライフィックス(''Rollei Fix'' )をはじめ、多くのメーカーが迅速脱着装置をオプションとして発売していた。またリコーフレックスなどに代表される板金ボディの二眼レフカメラの多くは裏ブタがL字型ではなく平板型で、フィルムを装てんする中枠をカメラから取り出せるようになっている。 カメラを縦位置に構えることが困難なため、ほとんどが正方形のフレームである。120フィルムを使用し6×6 cm判のカメラが大多数だが、ローライフレックス4×4やプリモフレックスジュニア等、127フィルムを使用する4×4 cm判も多くある。例外として、極少数だがツァイス・イコンのコンタフレックス、アグフアのフレキシレッテ、ボルシーのボルシーC、ヤルー光学(後のアイレス写真機製作所)のヤルーフレックス〔『クラシックカメラ専科No.3、戦後国産カメラの歩み』p.108。〕、東郷堂のトヨカ35、同ホビックス35、三栄産業のサモカフレックス35は24×36 mm判(ライカ判)である。アルコ写真工業の24×36 mm判(ライカ判)レンジファインダーカメラアルコ35はオプションのビューアルコを装着することにより二眼レフカメラになった〔『クラシックカメラ専科No.3、戦後国産カメラの歩み』p.156。〕。ほかにフランス製のオントフレックス(1934年発売?)、ウェルタのスーパーフェクタなど6×9 cm判、小西六写真工業のコニオメガフレックスのような6×7 cm判の二眼レフカメラもあった。 また東郷堂のトヨカ35とメイカイレフは2つのレンズを横に並べた二眼レフカメラ、ウェルタのパーフェクタとスーパーフェクタ〔『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』p.91。〕とカメラ・ウェルクシュテーテン・グーテ&トルシュのピロートは折りたたみ式二眼レフカメラ、フォクトレンダーのスパーブはフィルム送りのみ横方向になっている二眼レフカメラ〔『クラシックカメラ専科No.17、フォクトレンダーのすべて』p.95。〕、コンパスカメラのコンパスカメラIとコンパスカメラIIは超小型二眼レフカメラ、フォスのフォスフレックスIはフォーカルプレーンシャッターを装備した二眼レフカメラで、いずれも極めて珍しい存在である。 おおむね1960年代やそれ以降の製品であればセレンやCdSを使った露出計を内蔵していることが多い。ローライフレックス2.8FXやローライフレックス4.0FWはシリコンフォトダイオードによるTTL露出計でTTL自動調光である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「二眼レフカメラ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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