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子音連結〔子音連結という項目名は、文部科学省学術用語集 に準拠。早稲田大学理工学術院 英語教育センター 上野研究室 - 第11回 7/2 音節の構造と機能 などでは子音結合とされている。〕(しいんれんけつ、英:''consonant cluster'' または ''consonant blend'')は、言語学において、母音を間に挟まない子音の集まり(群)を指す。子音結合(しいんけつごう)、子音群(しいんぐん)、子音クラスター、子音クラスタとも。 例えば、英語の「splits」という単語における や が子音クラスタにあたる。 言語学者によって、「この用語の適用範囲は同一音節内に限定するのが正しい」とする立場と、「複数の音節にまたがって連なる子音も含める方が実用的である」という立場がある。例えば、英語の「extra」の場合、前者の定義によれば と という、各2子音の子音クラスタが2つあることになる〔J.C. Wells, ''Syllabification and allophony'' 〕が、後者の考え方では という4子音から成る子音クラスタが許容される。同様に、ドイツ語の「Angstschweiß」( 、「冷や汗」)には という5子音の子音クラスタが含まれていることになる。 == 音素配列 == 子音連結に関する音素配列ルールは、言語によって異なる。 多くの言語では、子音連結が全く見られない。例えば、マオリ語やピラハン語では2つの子音が連続することはない。マレー・ポリネシア語派のほぼ全ての言語(タヒチ語、サモア語、ハワイ語など)にも子音結合は存在しない。 日本語にも子音連結はほとんどないが、子音+ という並び方(「東京」( )など)があり、2つの音節にまたがるケースでは +子音という組み合わせ(「本州」( )、「天ぷら」( )など)もある。促音が破擦音の前にくると、子音連結である。(「一致」、「みっつ」)。 ほとんどのセム語派言語(標準アラビア語など)では、頭子音(音節核の前に来る子音、英: ''onset'' )には子音クラスタが全くないが、他の位置では最高2子音までの子音クラスタが見られる。例外として、現代イスラエルのヘブライ語では頭子音に2子音の子音クラスタが見られ(「pkak」(帽子)、「dlaat」(かぼちゃ)など)、モロッコのアラビア語ではベルベル語の影響によって数個の子音が連なるケースがある〔モロッコのアラビア語における子音クラスタについては解釈が分かれている。例えば、Jeffrey Heath著の『Ablaut and Ambiguity: Phonology of a Moroccan Arabic Dialect』に掲載されている「ktbu」という単語は、Richard Harrellによる文法書では「ketbu」(シュワー入り)となっており、Harrell はそれ以外にもシュワーが随所に認められるとしている。〕。 ほとんどのモン・クメール語派言語(クメール語など)では、頭子音でのみ子音クラスタが見られ、それも1音節あたり3子音までと制限されている。 フィンランド語の場合、南西方言と借用語でのみ、頭子音のみに子音クラスタが認められ、子音クラスタの数も1語あたり最高3つまでと制限されている。 ビルマ語の場合、頭子音としては最高3つまでの子音(1番初めの子音+2つの介子音( と ))が表記されるが、実際に発音されるのは2つまで((1番初めの子音+1つの介子音)である。なお、これらの子音クラスタに使用できる文字とできない文字がある。方言によっては、 という介子音を加えた4子音までの子音クラスタが見られる。 グルジアの南コーカサス語族では、さらに多くの子音を含む子音連結が見られる。グルジア語では、4つから6つの子音が連なることも珍しくない。例えば、 ( ''flat'' )、 ( ''trainer'' )、 ( ''peeling'' )などがある。さらに、文法的接辞を用いれば、 ( ''he's plucking us'' )のように8子音の子音クラスタも起こり得る。グルジア語では子音が音節核になることは有り得ないため、この音節は CCCCCCCCVC と分析される。 スラヴ語派言語(スロバキア語など)でも多くの子音が連結することがある。例えば、「štvrť」( )、「zmrzlina」( )、「žblnknutie」( )など。ただし、スロバキア語では流音( 、 )が音節核となることが可能で、これらのケースでは音韻論的に母音のようにふるまっていることになる。しかし、「vzhľadom」( )のように流音を含まない子音クラスタも存在する。 セルビア・クロアチア語には「opskrbljivanje」( )という例があるが、 ”lj” と ”nj” はそれぞれ と を表す二重音字である。 セイリッシュ語族〔ワシントン州タコマ東部ので使用されている言語グループの1つ。〕では、母音なしで子音ばかりが連なっている単語も存在する。例えば、ヌーハルク語( ベッラ・クーラ語とも)の ( ''he had in his possession a bunchberry plant'' )という言葉がそうである。これらの子音のうち、どれが音節核として機能しているかを見極めるのは非常に困難であり、これらの言語は従来の「音節」という概念そのものに挑戦状を叩きつけているとも言える。 東アジア地域の言語(中国語、ベトナム語など)において、子音クラスタが短縮される傾向が見られる。上古音には または (あるいはその両方)も介子音として存在していたが、中古音や現代北京語ではそり舌音に取って代わられた。例えば、「江」は北京語では「jiang」、広東語では「kong」と読まれるが、上古音では「klong」か「krung」だった可能性が高い。さらに、近年の再建分析によると、上古音における頭子音クラスタの歯擦音(「tk」「sn」など)は後世に口蓋化したとされる。 上古音については、尾子音(または末尾子音、英: ''coda'' )や尾子音の直後に起きる子音連結の分析もされている。中古音や現代南部方言において「-p」「-t」「-k」で終わる去声音節と入声音節〔去声と入声は異なる音素として認識される。〕の間に同根語が含まれている場合がある。去声音節の尾子音の直後に歯擦音が付け足された「-ps」「-ts」「-ks」という子音クラスタが発生し、それが「-ts」または「-s」に短縮され、やがて消えてしまった結果、その前後の母音が現代のいくつかの方言で二重母音化したという分析である。 古ベトナム語にもさまざまな頭子音クラスタが存在したが、17世紀頃までに徐々に融合して単一子音となり、硬口蓋鼻音として発達したものもある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「子音連結」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Consonant cluster 」があります。 スポンサード リンク
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