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ノナカルボニル二鉄[のなかるぼにるにてつ]
ノナカルボニル二鉄(ノナカルボニルにてつ、)は、化学式が Fe2(CO)9 と表される鉄の錯体である。この金属カルボニルは、有機金属化学や有機合成における重要な試薬である〔Elschenbroich, C.; Salzer, A. ”Organometallics : A Concise Introduction” (2nd Ed) (1992) Wiley-VCH: Weinheim. ISBN 3-527-28165-7〕。これは Fe(CO)5 より反応性の高い鉄(0)の供給源で、不揮発性のために処理がそれほど危険ではない。この雲母状の橙色の固体は、すべての通常の溶媒に対して事実上不溶性である。 == 構造と合成 == 最初の合成法によれば〔Edmund Speyer, Hans Wolf "Über die Bildungsweise von Eisen-nonacarbonyl aus Eisen-pentacarbonyl" Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft, 1924 volume 60, p. 1424-1425. 〕、Fe(CO)5 の酢酸溶液を光分解することによって Fe2(CO)9 が高収率で得られる〔King, R. B. Organometallic Syntheses. Volume 1 Transition-Metal Compounds; Academic Press: New York, 1965. ISBN 0-444-42607-8.〕。 : 2 Fe(CO)5 → Fe2(CO)9 + CO Fe2(CO)9 は3つの架橋 CO 配位子によって結合した1対の Fe(CO)3 中心から成り立っている。鉄原子は等しく八面体形構造をとっている。その低い溶解度が結晶の成長を抑制するため、Fe2(CO)9 の構造の解明は難解で興味深いことであった。メスバウアースペクトルは ''D3h'' 対称構造と矛盾しない四重極ダブレットを示した。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ノナカルボニル二鉄」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Diiron nonacarbonyl 」があります。
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