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五音篇海[ごおんへんかい] 五音篇海(ごおんへんかい)または四声篇海(しせいへんかい)〔『四庫全書総目提要』ではこの書を『四声篇海』と呼んでいる〕とは、金の韓孝彦・韓道昭父子によって1208年に編纂された字書。正式名称は改併五音類聚四声篇(かいへいごおんるいじゅうしせいへん)〔小川(1977) p.253 によると元は「四声篇」であって「四声篇海」ではなかった。〕。「篇」とは『玉篇』の意味。 全15巻からなり、444の部首を五音三十六字母、すなわち頭子音の順に並べる。見母金部に始まり、日母日部に終わる。頭子音の同じ部首は平・上・去・入の四声によって並べている。同じ部首の字を筆画順に並べており、現存する最古の部首画数引き字書である。ただし、画数順になっているのはひとつの部首に200字以上を含むような大きな部首に限られ、すべての部首が画数順になっているわけではない。 収録字数は54,595字〔梁(2008)による〕と非常に多い。『玉篇』を中心にして複数の字書から文字を採用しており、他の文献に見えない漢字を大量に含むことも特徴である。『康熙字典』や『大漢和辞典』の引く奇妙な字は『五音篇海』からの孫引きであることが多い。 ==増広類玉篇海== 部首画数引きの字書は『五音篇海』が最初ではなく、先行する王なにがし・秘詳らの『篇海』があることは『五音篇海』の序の文章によって以前から知られていたが〔小川(1977) p.249〕〔小川(1981) p.270〕、最近になって金の邢準『新修絫音引証群籍玉篇』〔中国国家図書館蔵金刻本。〕の中に王太『増広類玉篇海』を大定4年(1164年)に秘詳らが重修した『大定甲申重修増広類玉篇海』の序文が載っているのが発見され、詳しい事情がわかるようになった〔梁(2008)〕。 『増広類玉篇海』は『玉篇』22,872字をもとにして、これに『省篇韻』『塌本篇韻』『陰佑餘文』『古龍龕』『龕玉字海』『会玉川篇』『奚韻』『類篇』(現存の『類篇』とは別の書ではないかという〔小川(1981) p.270〕)の8書から採った39,364字を加えた大部の字書であった。これらの書のうち『古龍龕』は『龍龕手鑑』のことだが、それ以外は現存しない。採字元の書は書名を書くかわりに記号で表すが、『省篇韻』『塌本篇韻』『龕玉字海』の3書には記号が存在しない。部首はおおむね『玉篇』のものを使うが、同じ部首の字は画数によって並べられていた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「五音篇海」の詳細全文を読む
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