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井尻雄士 : ウィキペディア日本語版
井尻雄士[いじり ゆうじ]
井尻 雄士(いじり ゆうじ、Yuji Ijiri、1935年2月24日 - )は、アメリカ・日本の会計学者カーネギーメロン大学のUniversity Professor。元アメリカ会計学会(The American Accounting Association)会長。

== 経歴 ==

*1935年 神戸市に生まれる
*1956年 立命館大学法学部卒業、公認会計士取得
*1963年 カーネギーメロン大学よりPh.D.を得る
*1963年 - 1965年 スタンフォード大学助教授
*1965年 - 1967年 スタンフォード大学準教授
*1967年 カーネギーメロン大学教授に就任する
*1982年 - 1983年 アメリカ会計学会会長
*1987年 カーネギーメロン大学の University Professorに任命される
*2012年 カーネギーメロン大学を退職
井尻竹次郎とヒロの長男として1935年2月24日に神戸市で生れる。幼少の頃より計算に興味を持ち、6歳よりそろばん塾に通う。高校1年になったとき、ベーカリーを営む父より経理を任される。その仕事に興味を持ち公認会計士への道に進む。奈良商業高等学校を卒業する直前の1952年に、大学の学位学業を持たずに公認会計士一次試験に合格する。その後、同志社短期大学商学部夜間部に学び、1953年に第二次試験に合格する。3年間の実務実習の期間に立命館大学に学び、1956年法学士の学位を得る。同じくこの年21歳で公認会計士の資格要件をすべて満たす。現在でも公認会計士取得の最年少記録を保持する。
大学卒業後、最初は東京の個人会計事務所に、その後プライス・ウォーターハウスで3カ年間の監査実務を実践する。1959年にプライス・ウォーターハウスを離れ、米国ミネソタ大学大学院に学び、1960年に修士号を得る。その後、カーネギーメロン大学に学び1963年に博士号を得る。
スタンフォード大学の教員として1963年から67年まで、助教授(63-65)、準教授(65-67)を務める。1967年に正教授としてカーネギーメロン大学に戻る。1975年に、Robert M. Trueblood Professor of Accounting and Economicsの称号を得る。1987年には、Robert M. Trueblood University Professor of Accounting and Economics に推挙任命される。University Professorship は大学が教員に与える最高位の栄誉である。
会計を専門分野として様々な組織や機関で活躍をしてきた。アメリカ会計学会(AAA)のメンバーとなった1963年以降、同学会の数多くの委員会や役職を歴任した。その中には会長職(1982-83)、副会長職(1974-75)が含まれる。また、企業やNPO法人のコンサルタントを務める。
専門誌への投稿は優に200編を超えている。また、数多くの研究論文や著書を執筆し、その中にはノーベル経済学賞のハーバート・アレクサンダー・サイモン教授との共著(1977)など以下の著書が含まれる。
# Management Goals and Accounting for Control(1965).『計数管理の基礎』(岩波書店、1970年)
# The Foundation of Accounting Measurement - A Mathematical, Economic, and Behavioral Inquiry (1967)『会計測定の基礎』(東洋経済新報社、1968年)1968年日経図書文化賞特賞を受賞
# Theory of Accounting Measurement (1975) 『会計測定の理論』(東洋経済新報社、1976年)
# Skew Distributions and Sizes of Business Firms with Herbert A. Simon (1977)
# Recognition of Contractual Rights and Obligations: An Exploratory Study of Conceptual issues (1980)
# Historical Cost Accounting and Its Rationality (1981)
# Accounting Structured in APL (1984)
# Momentum Accounting and Triple-Entry Bookkeeping (1989) 『三式簿記の研究』(中央経済社、1984年)、『「利速会計」入門』(日本経済新聞社、1990年)
また、会計殿堂の登録メンバーであるElic L. Kohlerの没後に、その著作であるKohler会計辞典の第6版をWilliam W. Cooperと共に1983年に編纂している。井尻雄士の著書の数冊は日本語、フランス語、スペイン語にも翻訳されている。
会計分野の顕著な教育者・研究者として数々の賞を受賞してきた。アメリカ公認会計士協会並びにアメリカ会計学会(AICPA-AAA)が、顕著な貢献をした会計指導者に与える賞を彼のみが4回に亘り受賞している(1966, 1967, 1971, 1976)。1985年にアメリカ会計学会(AAA)の顕著な国際的教育者に選ばれ、1986年には同協会の傑出した会計教育者賞を受賞した。日本の放送大学でのゲスト出演もされている(「社会のなかの会計(’12)」第3回、第5回のゲスト、2012年~)。
1989年には、「会計殿堂(Accounting Hall of Fame)」入りを果たしている。〔Fisher College of Business | Accounting Hall of Fame Members
夫人(西村倫子)と1962年6月17日に結婚し、二人の子供を持つ。趣味の時間にはパズル、太極拳、漢詩、俳句を楽しんでいる。2012年、カーネギーメロン大学を退職し現在オバリンに居住する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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