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人情噺[にんじょうばなし] 人情噺(にんじょうばなし)とは、落語の演目の中のひとつのカテゴリである。一般には親子や夫婦など人間の情愛を描いた噺を指しており、「大ネタ」と呼ばれる長い噺が多い〔『CD付 落語入門』(2008)p.17〕。人情噺を最初に演じたのは朝寝房夢羅久だといわれている。 == 概説 == 落語は、狭義ではサゲを伴う「落とし噺」(滑稽噺)と理解されることもあるが、実際の演目には人情噺、怪談噺なども含まれる。ただし、その人情噺の定義も広義と狭義とに分かれる。 3代目桂米朝は自著『落語と私』において人情噺の定義をかなり狭く捉えており、講談などにおける「世話物」(町人の世界を題材とするカテゴリ。武家を扱った「時代物」に対する)を、講談のように説明口調で口演するのではなく、(登場人物になりきって)感情を入れながら喋るもので、一席では口演し切れない長編が多いとしている〔桂米朝『落語と私』(1986)〕。つまり、米朝は「人情噺」を町人世界を描いたサゲの存在しない噺と定義し、サゲのある「落とし噺」と区別しているのである〔〔桂米朝『落語と私』はもともと中高生を対象に書かれたもので、1975年(昭和50年)にポプラ社で発行したものが初刊である。〕。 広義の「人情噺」においては、構成は落とし噺同様マクラ、本題、サゲから成り、一席で完結するものも含まれる。題材は(米朝見解による)狭義の人情噺同様、町人の世界を舞台にするが、親子愛、夫婦の情愛、江戸っ子ないしは浪花っ子の人情、身分違いの悲恋など情に訴えるものを扱い、おかし味だけでなく感銘を受けるストーリーの展開になっている。くすぐりやサゲで笑いを取るが、全体的にはほろりとさせられる噺である。また、なかには『笠碁』のように、飾り気のない、人のどうしようもない感情を存分に描く、一風変わった作品もある。 明治期に東京から大阪に移った2代目三遊亭圓馬と5代目翁家さん馬が人情噺を上方で演じ、伝えた。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「人情噺」の詳細全文を読む
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