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人毛醤油[じんもうしょうゆ]
人毛醤油（じんもうしょうゆ）とは、頭髪などの人毛を原料として製造した代用醤油の一種である。毛髪醤油とも言われる〔北村豊「中国に残る 髪の毛で造る「醤油」 政府の摘発追いつかず いまだに屋台で使われる」2006年6月9日.日経ビジネスオンライン。〕。
== 日本における人毛醤油 ==
昭和初期に大門一夫により毛髪の研究の一環として、人間の廃毛髪を原料とした醤油の研究が行われた。彼は毛髪を塩酸で10時間程度煮て加水分解し、アミノ酸やペプチドに分解することで醤油に良く似た水溶液を作り出したが、揮発成分に乏しく香りの点で本物に劣り、またコスト的に商業レベルの実用には耐えない物であった〔大門一夫著「毛髪大全科」〕。さらに研究結果として、同じ方法で大豆類の植物の茎・葉・皮、搾りかすなどを粉砕したものを用いたほうが品質・コストの両面で優れており、人毛醤油が広まることは無かった。現在ではオートクレーブを用いて短時間で製造することも可能である。
雑誌『ニューヘアー』1982年9月号では、戦中から戦後の物不足時代には「毛屑から代用醤油が作られた」と毛髪研究家が記しており、製法は「毛屑を10%の塩酸の中に入れて24時間ほど煮沸した後に濾過して苛性ソーダで中和させる」としていた〔。また日本の企業も頭髪から工業用アミノ酸を製造していたが、人毛を収集する「毛塵屋」の人件費がかさみ、現在では製造されていない〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』
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