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『人間失格』(にんげんしっかく)は、小説家・太宰治による中編小説。『ヴィヨンの妻』『走れメロス』『斜陽』に並ぶ太宰の代表作の1つである。 雑誌『展望』1948年(昭和23年)6月号から8月号まで3回にわたって掲載された。著者没後、同年7月25日、筑摩書房より短編「グッド・バイ」と併せて刊行された。定価は130円〔『太宰治全集 9』ちくま文庫、1989年5月30日、544頁。解題(関井光男)より。〕。 同年3月より書き始め、5月12日に脱稿している。 他人の前では面白おかしくおどけてみせるばかりで、本当の自分を誰にもさらけ出す事の出来ない男の人生(幼少期から青年期まで)をその男の視点で描く。この主人公の名前は、太宰の初期の小説『道化の華』に一度だけ登場している。 戦後の売り上げは、新潮文庫だけでも累計600万部を突破しており、夏目漱石の『こころ』と何十年にもわたり累計部数を争っている。 == 背景 == 連載最終回の掲載直前の6月13日深夜に太宰が自殺したことから、本作は「遺書」のような小説と考えられてきた。実際、本作の後に「グッド・バイ」を書いているものの未完であり、完結作としては本作が最後である。体裁上は私小説形式のフィクションでありつつも、主人公の語る過去には太宰自身の人生を色濃く反映したと思われる部分があり、自伝的な小説とも考えられている。しかしながら、太宰の死により、その真偽については不明な部分が多い。 このように「遺書」と受け止められていた本作は、勢いにまかせて書かれたものと長く信じられてきた。この定説を覆す転機となったのは1998年5月23日に遺族が発見したB5版200字詰めで157枚におよぶ草稿を公開したことである(新潮1998年7月号に原文資料掲載)。これら草稿では言葉一つ一つが何度も推敲されており、内容を練りに練りフィクションとして創造した苦労の跡が随所に伺える。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「人間失格」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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