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仔魚 : ウィキペディア日本語版
仔魚[しぎょ]

仔魚(しぎょ、英:larva)とは、魚類の成長過程における初期の発育段階の一つ。幼生とも呼ばれる。広義ではしばしば稚魚(ちぎょ、英:juvenile)と混同され、両者を合わせて仔稚魚(しちぎょ)と総称することも多い。発生学の観点からは仔魚と稚魚は異なる段階として区分され、仔魚の次のステージが稚魚にあたる。
== 概要 ==
一般に、魚類がから孵化してから、骨格などの基本的な体制を整えた稚魚となるまでの段階を仔魚と呼ぶ。多くの場合、生まれたばかりの仔魚は全長数mm程度で、鰭や臓器の発達は未熟であり遊泳力もほとんどない〔『稚魚 生残と変態の生理生態学』 pp.3-9〕。仔魚は厳しい条件の下で外敵からの捕食を避け、自ら餌を摂り、適切な成育環境へと移動しなければならない。このため、仔魚の生存率は極めて低く、稚魚期に到達できる個体はごくわずかで、種によっては千分の一にまで減衰する〔『稚魚 生残と変態の生理生態学』 pp.35-38〕。この現象は初期減耗と呼ばれ、魚類の生活史を解明する上での重要な問題として、あるいは水産養殖における課題として、古くから研究対象とされている〔。
魚類の繁殖様式は卵生胎生卵胎生)に分けられ、軟骨魚類シーラカンス、およびウミタナゴメバルグッピーなど一部の真骨類が卵胎生である〔。現生魚類の大半を占める真骨類の多くは卵生で、このうち海水魚は小型の浮性卵を大量に産む一方、河川などに回帰する鮭鱒類等は比較的大きな沈性卵を少数産む傾向があり、他の淡水魚は水底のや藻草などに付着性卵を少数産む〔。仔魚の形態や生活様式、稚魚への変態などの特徴はグループによって大きく異なり、さまざまな手段によって環境への適応および種の存続を図っている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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