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稲作[いなさく]

稲作(いなさく)とは、イネ(稲)を栽培することである。主にを得るため、北緯50°から南緯35°の範囲にある世界各地域で稲作が行われている。現在では、米生産の約90%をアジアが占め、アジア以外では南アメリカブラジルコロンビアアフリカエジプトセネガルでも稲作が行われている。
稲の栽培には水田が利用され、それぞれの環境や需要にあった品種が用られる。水田での栽培は水稲(すいとう)、畑地の栽培は陸稲(りくとう、おかぼ)とよばれる。
収穫後の稲からは、米、米糠(ぬか)、籾殻(もみがら)、(わら)がとれる。
== 概要 ==
稲作が広く行われた理由として、
* 米の味が優れており、かつ脱穀・精米・調理が比較的容易である〔佐々木高明『東アジア農耕論 焼畑と稲作』(弘文堂、1988年)P359-361〕。
* イネは連作が可能で他の作物よりも生産性が高く、収穫が安定している(特に水田はその要素が強い)〔。
* 施肥反応(適切に肥料を与えた場合の収量増加)が他の作物に比べて高く、反対に無肥料で栽培した場合でも収量の減少が少ない〔。
* 水田の場合には野菜・魚介類の供給源にもなり得た(『史記』貨殖列伝の「稲を飯し魚を羹にす……果隋蠃蛤、賈を待たずしてたれり」は、水田から稲だけでなく魚やタニシも瓜も得られるので商人の販売が不要であったと解される)〔古賀登『両税法成立史の研究』雄山閣、2012年、P71〕。
などの理由が考えられている〔福田一郎:コメ食民族の食生活誌 日本食生活学会誌 Vol.6 (1995) No.2 P2-6 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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