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伊澤修二 : ウィキペディア日本語版
伊沢修二[いさわ しゅうじ]

伊沢 修二(いさわ しゅうじ、旧字体:伊澤1851年6月30日嘉永4年6月2日) - 1917年大正6年)5月3日)は明治時代日本教育者文部官僚。近代日本の音楽教育吃音矯正の第一人者である。は楽石。
== 生涯 ==
信濃国高遠城下(現在の長野県伊那市高遠町)に高遠藩士の父・勝三郎、母・多計の子として生まれる。幼名は弥八。父は20俵2人扶持の低支給の下級武士のため極端な貧乏暮らしだった(事実上1年4人で分け与えなけければならないこととなっている)。
1861年文久1)から藩校進徳館で学び、1867年慶応3)に江戸へ出府。ジョン万次郎に英語を学ぶ。万次郎が欧米に出張すると、1869年(明治2年)に築地に転居したアメリカ合衆国長老教会宣教師カラゾルスから英語を学ぶ。〔カラゾルス宣教師は1869年の年末までに伊澤たち若者に一日2時間半の授業を行う本格的な英語塾を開いた。これは、東京における最初のミッションスクールになった(『長老・改革教会来日宣教師事典』 63頁)。〕
京都へも遊学して蘭学などを学ぶ。同年には藩の貢進生として大学南校(のちの東京大学)に進学する。
1872年(明治5)には文部省へ出仕し、のちに工部省へ移る。1874年(明治7)に再び文部省にもどって愛知師範学校(現在の愛知教育大学)校長となる。1875年(明治8)には師範学校教育調査のためにアメリカ合衆国へ留学、マサチューセッツ州で学び、同時にグラハム・ベルから視話術を、ルーサー・メーソンから音楽教育を学ぶ。同年10月にはハーバード大学で理化学を学び、地質研究なども行う。聾唖教育も研究する。1878年(明治11)5月に帰国。
1879年(明治12)3月には東京師範学校(現在の筑波大学)の校長となり、音楽取調掛に任命されるとメーソンを招く。来日したメーソンと協力して西洋音楽を日本へ移植し、『小學唱歌集』を編纂。田中不二麿が創設した体操伝習所の主幹に命じられる。1886年(明治19)3月、文部省編輯局長に就任。1888年(明治21)には東京音楽学校(現在の東京芸術大学音楽学部)、東京盲唖学校(現在の筑波大学附属視覚特別支援学校)の校長となり、国家教育社を創設して忠君愛国主義の国家教育を主張、教育勅語の普及にも努める。
内閣制度が発足し、1885年(明治18)に森有礼が文部大臣に就任すると、教科書の編纂などに務める。1890年(明治23年)に国立教育社を組織して国家主義教育の実施を唱導し、翌年に文部省を非職となってからは更に国立教育運動に力を注いだ。その後、1892年(明治25)8月に国立教育期成同盟を結成して小学校教育費国庫補助運動を開始する。1894年(明治27)の日清戦争後に日本が台湾を領有すると、台湾へ渡り台湾総督府民政局学務部長心得に就任、植民地教育の先頭に立っている。1895年(明治28)6月に、台北北部の芝山巌(しざんがん)に小学校「芝山巌学堂」を設立。翌1896年(明治29)1月、伊沢が帰国中に、日本に抵抗する武装勢力に同校が襲撃され、6名の教員が殺害される事件が発生した(芝山巌事件)。
1897年(明治30)には貴族院勅選議員。晩年は高等教育会議議員を務めたほか、吃音矯正事業に務め、1903年に楽石社を創設。1917年、脳出血のため67歳で死去〔服部敏良『事典有名人の死亡診断 近代編』付録「近代有名人の死因一覧」(吉川弘文館、2010年)3頁〕。
墓所は雑司ヶ谷墓地
祝日大祭日唱歌「紀元節」や唱歌「皇御国」「来たれや来たれ(皇国の守)」などを作曲。『生物原始論』を翻訳し、進化論を紹介する。著作に『教育学』、『小学唱歌』、『学校管理法』ほか。
== エピソード ==

* アメリカ留学中の1876年には留学生仲間の金子堅太郎とともに日本人として初めて電話を使っている。
* 芝山巌学堂の場所には、芝山巌事件で殉職した日本人教師6名を指す「六氏先生」を追悼して、伊藤博文揮毫による「学務官僚遭難之碑」が建立された。戦後、台湾が中国国民党政府に接収されると石碑は倒され、長く放置されていたが、台湾の民主化後、民進党陳水扁台北市長時代に復元された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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