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伊集院 大介(いじゅういん だいすけ)は、栗本薫の推理小説「伊集院大介シリーズ」などに登場する架空の探偵。 == 人物像 == 色白、痩せてひょろひょろとした長身。手足や首は細長く、やや猫背で、多少ガニ股気味。細面でややみそっ歯。ほっそりとした鼻柱、秀麗な額、長い前髪。銀ぶち眼鏡の奥からは優しく人懐っこい目がのぞき、いつもにこにこととぼけたような笑顔を浮かべている(『絃の聖域』)。その容貌は、中学時代からほとんど変わらないが、初老となった現在では、長い前髪に白いものが混じるようになり、眼鏡もふちなしのものをかけるようになった(『六月の桜』)。若いころはさだまさしに似ているといわれたが、年齢を重ねるとともに、それほど似ていないといわれるようにもなった。 性格は極めて温厚であり、その温和な容貌とあわせて、周囲の人をついほほえませてしまような雰囲気を醸し出している。すべての人間に対するわけへだてない共感にあふれており、人間なるものへの深い洞察と愛情の持ち主である(「伊集院大介の一日」)。 コーヒー好きで、たばこを嗜み、さまざまなジャンルの本と音楽を愛している(「伊集院大介の一日」)。異性との恋愛関係は皆無に等しいが、異性への関心がないわけではなく、好みは男装の麗人タイプであるらしい(「伊集院大介の初恋」)。やや低血圧の夜型で、朝には極めて弱く(「伊集院大介の一日」)、事件のないときには、何日でもぼーっと退屈することなく過ごすことのできる、非生産的な人間である(「伊集院大介の失敗」)。それゆえ、普段は極楽とんぼなどとも揶揄される伊集院だが、事件の解決にあたっているときには、行動的で活動的な人間に変化する。 少年期を除き、一人暮らしの独身を通している。少年期においても、家族について語られることはほとんどなく、家族構成などについては不明である。だが、父は大きなプロジェクトを仕事とし(『早春の少年』)、また伊集院が生活に困らなくなるほどの遺産を残した人物であった(「伊集院大介の私生活」)という。 その推理の特徴は、事件の真犯人を探し出すだけではなく、人間を観察し、洞察することによって、事件の裏に広がっている模様を解き明かすことにある(「伊集院大介の失敗」)。その根本は、人間を知りたい、すべての人間的なるものにふれたいという、伊集院の言うところの「人間学」への飽くなき欲求にある(「伊集院大介の青春」)。自分の推理を述べるときに多用する「そんな気がする」という口癖に象徴されるように、事件の解決に当たっては、神がかり的なひらめきや直感に頼っているとも指摘されるが、伊集院によれば、それはあくまで論理の積み重ねであり、訓練によって論理の展開が速くなっているがために、その訓練をしていない人にとっては、それが飛躍に見えるのだ、ということらしい(「伊集院大介の失敗」)。普段はもっぱら知的作業によって事件を解決することの多い伊集院だが、探偵としての基本的な変装術、体術にもたけており、占星術師や老人に巧みに変装して人の目を欺いたり、また柔道、空手の有段者を見事に投げ飛ばしたこともある(『天狼星』)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「伊集院大介」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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