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位相差顕微鏡(いそうさけんびきょう)とは、光線の位相差をコントラストに変換して観察できる光学顕微鏡のことである。標本を無染色・非侵襲的に観察することができるため、特に生物細胞を観察する場合や臨床検査に多く用いられる。また、石綿の検出にも使用される。 ==概要== 物質に光線が通過するとき、異なる屈折率をもつ物質を透過した光を比較すると位相差が発生している。また、光線を物質が遮るとき光線は回折する。 不透明な物質を顕微鏡で観察する場合は、減光や着色によってコントラストがあらわれるために像を直接観察することが可能である。 しかし、無染色の細胞や微生物を観察する場合には対象がほぼ透明であるためコントラストがほぼ無く、そのままでは観察が不可能である。このため観察法としては染色法が発達したが、染色した細菌や細胞は損傷を受け、場合によっては死滅する。これは、観察しているものを取り出して培養する場合や生態を観察する上で極めて都合が悪い。そのため無染色で観察できる方法が探究された。 フリッツ・ゼルニケは回折格子の研究を応用し、位相のズレをコントラストとして検出する方法を1932年に完成させた。(なお、これらの功績によってゼルニケは1953年にノーベル物理学賞を受賞した) 構造は光学顕微鏡に、専用の位相差コンデンサーと位相差対物レンズを導入したものである。 このユニットは対物レンズ構成にもよるが数十万円程度であり、研究用の光学機器としては比較的安価な部類に入る。(後述の微分干渉顕微鏡は数百万円、共焦点レーザー顕微鏡は1千万円を超えることすらある) 1943年にカール・ツァイスおよびボシュロムによって製品化された。日本国内では1949年に高千穂光学(現オリンパス)によって初めて製品化された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「位相差顕微鏡」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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