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位置選択性(いちせんたくせい、regioselectivity)とは反応化学の用語のひとつ。ある基質に起こる反応が起こる位置(原子あるいは原子団)にいくつかの異なる可能性があるときに、実際の反応が何らかの要因により特定の位置で起こる性質。反応中間体や遷移状態の安定性の違いが位置選択性に反映され、その違いは立体的な要因、電気的な要因、非共有結合性相互作用、溶媒の関与、共鳴や超共役、電子軌道の形や電子密度、試薬の当量などさまざまな要因に由来する。 位置選択性の高い反応を 位置選択的(いちせんたくてき、regioselective)であるといい、特に高い場合は 位置特異的(いちとくいてき、regiospecific)であるという。 以下、代表例を示す。各例の詳細は各記事を参照。 == アンビデント求核剤 == 複数の原子から成る求核剤には、求電子剤との反応点を複数持つものがある。そのような求核剤はアンビデント求核剤 (ambident nucleophile) と呼ばれる。これらが求電子剤と反応するときに位置選択性が現れる。例えばシアネートイオン (NCO-) は炭素求電子剤 (RX) と反応するとき、イソシアネート (R-NCO) を選択的に与える。 :RX + NCO- → R-NCO (not R-OCN) 亜硝酸イオン (NO2-) やスルフィン酸イオン (R'SO2-) は、基質や反応系の違いにより反応位置が異なる。 :RX + NO2- → R-ONO(亜硝酸エステル)または R-NO2(ニトロ化合物) :RX + R'SO2- → R'S(=O)2R(スルホン)または R'S(=O)-OR(スルフィン酸エステル) 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「位置選択性」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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