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佐須の禅寺丸古木 佐須の禅寺丸古木(さずのぜんじまるこぼく)は、東京都調布市佐須町に生育するカキノキの巨木である〔『東京都の文化財3 無形文化財・民俗文化財・名勝・天然記念物』、103頁。〕。「禅寺丸」(ぜんじまる)という甘ガキの品種の木で、推定の樹齢は約380年とされる。この品種における巨大な木の一例として、1964年(昭和39年)に東京都の天然記念物に指定された〔〔。 == 由来 == この木が生育する調布市佐須町は、かつて農村地帯であった〔。多摩川の支流野川沿いに田畑が広がり、農家の庭先にはカキノキがよく見られていた〔。カキノキは甘ガキを食用にする他にも、渋ガキを干し柿に加工したり柿渋を染料や防水用に利用したり、材を建築用などに使うなど利用範囲の広い植物である〔。 品種は「禅寺丸」という甘ガキの1種に属する〔〔〔。禅寺丸は、神奈川県川崎市麻生区王禅寺が原産地とされるもので、日本最古の甘ガキといわれる〔〔久保、37-38頁。〕〔出町、20-22頁。〕。伝承によれば、その起源は鎌倉時代にまでさかのぼる〔〔〔。1214年(建保2年)、等海という僧侶が寺の本堂再建の材木を探して山中に入り、これを発見した〔〔〔。等海はその実が大変に美味であったために、木を持ち帰って寺の境内に移植したという〔〔〔〔。 禅寺丸という品種は「不完全甘ガキ」(種が十分に入ると甘くなる)といわれるもので、果実は小さく4センチメートル程度に育ち重さは100-120グラムほどである〔〔出町、10-11頁。〕〔出町、14頁。〕。江戸時代から多摩川両岸や武蔵野地域の農村地帯に栽培が広がり、明治・大正の頃まで主要品種として盛んに栽培された〔〔〔。やがて主要品種の座を降り、富有柿の受粉樹として利用されるようになった〔。 多摩や武蔵野の旧家には、庭先に禅寺丸の古木が残っているのが時折見受けられる〔〔。佐須町にあるこの木は推定の樹齢約380年とされ、カキノキの古木としては大きいものの1つである〔〔。樹高は約12.0メートル、主幹は幹周り約1.9メートルを測る〔。樹勢は盛んで毎年多くの実をつけているが、2007年(平成19年)に台風の被害に遭って大枝が折損した〔〔。そのため所有者は、支柱を立ててこの木を保護している〔。この木は1964年(昭和39年)4月28日に、東京都の天然記念物に指定された〔〔〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「佐須の禅寺丸古木」の詳細全文を読む
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