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体感温度 : ウィキペディア日本語版
体感温度[たいかんおんど]
体感温度(たいかんおんど)とは、人間の肌が感じる温度の感覚を、定量的に表したものである。人間の温度感覚は、皮膚面の水分()が蒸発したり、皮膚面の熱が奪われたりすることで生ずるものである。こうした体感温度は気温だけでなく、実際には湿度風速等によって影響されやすく、たとえば多くの場合は風が強いときほど体感温度は下がる。したがって、気温をそれらの数値で補正する。
ただし体感温度は、以下で示す湿度・風速・日照量といった気象環境条件の他に、服装代謝量年齢性別健康状態等、人体条件の影響も受けるため、その感覚は千差万別である。また、しばしば簡潔な算出式が使われるため、誤差なく表せる範囲にも限界がある。これらの理由で、目的や適用範囲に違いのある多くの指標がある(たとえば、高温のストレスを表すための指標であるヒートインデックスを、低温のストレスを判断するために用いることはできない〔では気温が10℃以下の低温下では高湿度は、高温下の時と異なる影響を与えるとしている。〕)。
以下、気温()を ''T''、相対湿度 (%) を ''H''、風速 (m/s) を ''v'' とする。特に断らない限り、風速は風速計(原則として高さ10メートル)での測定値である。
== 湿度による補正 ==
ミスナール (Missenard, 1937) は、湿度の効果を加えた式
:M=T-\frac\times(T-10)\times \left( 0.8-\frac H \right)
を考案した。ただし、低温の場合、湿度が体感温度に与える影響は高温の場合ほど大きくないため、この式の適用範囲は、温暖な温度に限られる〔。
ジョージ・ウィンターリング (, 1978) が考案したヒューミチャー () は、現在はヒートインデックス (, HI) と呼ばれ、アメリカ合衆国国立気象局 (NWS) が採用している。HIの定義は数式によるものではないが、NWSは近似式として
:HI = \begin
HI_\mathrm - \frac 4 \sqrt & \mbox H < 13 \mbox 80 \le T_\mathrm F \le 112 \\
HI_\mathrm + \frac \times \frac 5 & \mbox H > 85 \mbox 80 \le T_\mathrm F \le 87 \\
0.5 \times ( T_\mathrm F + 61.0 ) + 0.06 \times (T_\mathrm F - 68.0) + 0.047 \times H & \mbox T_\mathrm F < 80 \\
HI_\mathrm & \mbox
\end
を使っている〔Heat Index Equation 〕。なおここで、気温 ''T'' は華氏温度 (°F)
: T_\mathrm F = \tfrac 9 5 T + 32
であり、''HI''unadjustedは以下の式から算出される。

: HI_\mathrm = -42.379 + 2.04901523 T_\mathrm F + 10.14333127 H - 0.22475541 T_\mathrm F H - 0.00683783 ^2 - 0.05481717 H^2 + 0.00122874 ^2 H + 0.00085282 T_\mathrm F H^2 - 0.00000199 ^2 H^2
J.M. Masterton and F.A. Richardson (1979) による「ヒューミデックス 」は、カナダ気象局 (MSC) が採用していて、
:humidex = T + 0.5555 \times ( P_\mathrm - 10)
で表される〔Calculation of the 1981 to 2010 Climate Normals for Canada 〕。この式は、湿度の代わりに水蒸気圧 ''P'' (hPa) を使い、その値は露点 ''T'' (℃) を使って
:P_\mathrm = 6.11 \times \exp \left\
で求められる。
湿球黒球温度 (WBGT) はISO 7243 などで標準化されており、
:WBGT = \begin
0.7 \times T_\mathrm W + 0.2 \times T_\mathrm G + 0.1 \times T \\
0.7 \times T_\mathrm W + 0.3 \times T_\mathrm G
\end
で表される。''T'' は湿球温度、''T'' は黒球温度である(これらに対比するなら ''T'' は乾球温度となる)。第1式は日照のある屋外、第2式は屋内または日照のない場合に使われる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「体感温度」の詳細全文を読む



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