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後方連絡線[こうほうれんらくせん] 後方連絡線(こうほうれんらくせん、英:Line of Communication, LOC)とは、主に前線の作戦地域と後方の根拠地の間において、作戦行動または兵站活動の用途に利用できる交通路を意味する〔アントワーヌ=アンリ・ジョミニは連絡線を「作戦地域内部において各地の部隊の間を接続する全ての道路」を指す用語として使用しており、前線と後方を接続する交通路だけに限定しているわけではない。『戦争概論』83項〕。単に連絡線、または背後連絡線、作戦線、兵站線とも言う。 == 概要 == 後方連絡線とは作戦地域と根拠地を結ぶ交通線であり、主に連絡線や兵站線として機能する。すべての作戦部隊は後方連絡線上において行動し、常に根拠地からの兵站補給などの後方支援を受け、戦力を逐次回復する。これを敵の迂回機動や航空阻止などによって遮断されると、前線における作戦部隊の戦力維持・増強が妨げられる。カール・フォン・クラウゼヴィッツはこの危険性を血管に例え「軍の生存を保持する血管としての道路は、長く遮断されるようなことがあってはならないし、またその延長が長すぎたりあるいは難路であったりしてはならない、長い道程だと余計な力が費やされ、けっきょく軍を衰弱させるからである」〔『戦争論』249項〕と述べた。同様の理由にて、後方連絡線外で作戦行動する部隊は兵站的に極めて危険な状態に置かれる。そのため後方連絡線の維持は兵站術として不可欠な原則である。しかしクラウゼヴィッツは補給や輸送だけでなく、後退路としての後方連絡線の意義にも「本来の意味において軍の戦略的背面を成すのである」と言及している〔『戦争論』248項〕。またアントワーヌ=アンリ・ジョミニは戦争の基本原則の一つとして「敵の後方連絡線に対して我の戦力を投入すること」を挙げており〔『戦争概論』66項〕、そのため作戦的にも重要な要素であると言える。
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Line of communication 」があります。
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