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個体識別[こたいしきべつ]
個体識別というのは、生態学の研究手法のひとつで、目的とする生物のそれぞれの個体を区別し、個別に記録をとることである。個体群生態学や行動学において重要な手法のひとつである。 == その効用 == たとえばオシドリという鳥がある。この鳥は雌雄で仲良く子育てをして、毎年同じところで繁殖するという。そこで、いつも仲良く、同じ仕事をしているのをおしどり夫婦などという訳であるが、実際にはちょいちょいペアの相手が代わっているという説がある。しかし、普通に見ている限りではこのことの真偽は分からない。これを確かめるためには、今年のペアである雄雌と、翌年のペアが同じ個体かどうかを確かめなければならない。つまり、今年のうちにそれぞれの個体を何等かの方法でそれ以外の個体から識別する手だてを講じて、来年のペアがそれと同じ個体かどうかを確かめる必要がある。これが個体識別である。 動物の生態を研究する際に、実際には個々の個体を見ながら記録をとる訳であるが、この時、対象とする個体が、その個体群における任意の個体であり、どの個体も同じであるという認識で当たることは、ひとつの科学的な判断であると見なしてよいだろう。しかし、それだけでは見落とす事項や得られない情報があり、そのような部分を埋めるためにも、個体識別法は大きな役割を果たす。たとえば長期にわたる調査において決まった個体を追跡したい場合がそれである。 また、実際には個体群の中に於いてどの個体も同じ意味を持つとは限らないこともあり得る。個体群の中にたとえば順位制のような構造があれば、その構造の中の位置によって動きや影響が異なることはあり得る。そのような場合には、各々の個体を特定して記録しなければ意味はない。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「個体識別」の詳細全文を読む
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