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『倚天屠龍記』(いてんとりゅうき、、)は、中国および中華圏(台湾やシンガポール、マレーシア等の華人社会)で著名な小説家金庸の武俠小説の1つ。 『神鵰剣俠』の続編に当たり、『射鵰英雄伝』から続く「射鵰三部作」の最終章を飾る作品である。 == 概要 == 1961年から、香港の『明報』に連載された。 物語は14世紀、前作『神鵰剣俠』から、およそ100年を経た元代末期の中国大陸が舞台。「それを手にしたものは武林を制覇し、天下に号令することができる」と言い伝えられる、伝説の倚天剣と屠龍刀を巡る争奪戦に巻き込まれて、幼くして両親を失った主人公張無忌が、邪教とされた明教の教主となって江湖の英雄豪傑を束ね、モンゴル人の元朝の支配に立ち向かい、明朝成立へと導く姿を描いている。 「射鵰三部作」のうち、『射鵰英雄伝』と『神鵰剣俠』が、登場人物の多くが重なるなど、深い繋がりを持っていたのと比べると、この作品の主要舞台となる時代は、『神鵰剣俠』からおよそ100年を経ており、関係性は薄い。ただ、随所で前作の登場人物の子孫が登場する。 この作品の主題は、金庸の作品によく見られる、「正邪の区分とは何か」という問いかけである。主人公張無忌は、 : 父親の張翠山は、正派武当派の俠客。 : 母親の殷素素は、正派と敵対し、邪教と恐れられる明教の護教法王の娘。 という設定になっている。張無忌は、相争う両派の板挟みに苦しむことになる。 加えてこの作品で目立つのは、張無忌の優柔不断ぶりである。「射鵰三部作」のそれぞれの主人公を比較すると、 : 『射鵰英雄伝』の郭靖は、誠実で素朴。 : 『神鵰剣俠』の楊過は、奔放で情熱的。 と性格に違いはあったが、「女性に対する愛情」という点では、それぞれただ一人の女性のみを愛し、共に躊躇うことはなかった。対する張無忌は、複雑で軟弱な面があり、それは恋愛面において顕著となる。本作では、主人公を巡って4人の美少女が登場し、争奪戦を繰り広げるが、決断力に欠ける張無忌は彼女たちの間をふらふらし、散々翻弄されることになる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「倚天屠龍記」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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