|
借地借家法(しゃくちしゃっかほう、平成3年10月4日法律第90号)は、建物の所有を目的とする地上権・土地賃貸借(借地契約)と、建物の賃貸借(借家契約)について定めた法律である。「しゃくちしゃくやほう」とも呼ばれる。 *本項で借地借家法について以下では条数のみを挙げる。 ==立法趣旨・旧法との関係== 立法趣旨は、土地や建物の賃貸借契約における借主(借地人、借家人、店子)の保護にある。これらの賃貸借契約についての規定は、民法典にも存在する。しかし、民法典の規定は自由主義思想を背景に、当事者の個性を重視せず、抽象的にしか把握しない。そのため、契約当事者には形式的な平等しか保障されていないといえる。ところが現実の賃貸借契約においては多くの場合、貸主(大家)と借主(店子、借家人)との力関係には差がある。そのため、両当事者の実質的な平等を保障し、一般に弱い立場に置かれがちである借主の保護を図ったものである。また、資源としての建物の保護(まだ使用できる建物を早期に取り壊さなければならない状況を極力減らす)をも図っているといわれる。民法の特別法としての位置づけを持つ。もっとも、こうした趣旨は旧法から引き継いだものであり、本法によって初めて取り入れられたものではない。なお、農地の賃貸借契約については農地法により借地人の保護が図られている。 本法の成立により、建物保護ニ関スル法律(明治42年5月1日法律第40号、建物保護法)・借地法(大正10年4月8日法律第49号)・借家法(大正10年4月8日法律第50号)は廃止された。借地借家法は、不動産の賃貸借契約における賃借人を保護する目的で制定された3法を統合したものである。しかし、本法の施行後もそれらの法律が意味を失ったわけではない。 すなわち、原則としては、借地借家法は1992年(平成4年)8月1日の施行前に生じた事項にも適用されるが(附則4条本文)、施行前に設定された借地権に係る契約の更新に関しては従前の例により(附則6条)、施行前にされた建物賃貸借契約の更新拒絶通知及び解約申入れに関しては従前の例による(附則12条)など、一部の事項については旧借地法・旧借家法が適用される。施行後に更新された場合も旧借地法・旧借家法が適用される。 このような措置がとられた理由は、主に法制定当時の野党から、借地借家法が借主にとって不利益を及ぼすのではないかという懸念が示されたためである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「借地借家法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|