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「値ぶみカメラ」(ねぶみカメラ)は、藤子・F・不二雄の読みきりSF漫画作品。小学館「ビッグコミック」1981年11月25日号に掲載された。 未来から来たカメラ販売員のヨドバが登場する作品の一つ。今回販売したものは「対象の値段」を4つのポイントで計る写真を出すことの出来る「値ぶみカメラ」。物の価値とは一体何であるかを描いた作品である。 == ストーリー == カメラマン志望で野鳥の写真を撮影している竹子は、親が経営する骨董品店の常連客で青年実業家の倉金から好かれている。潰れかけの骨董品店の娘にとって青年実業家との結婚は玉の輿であり、カメラマンの職を良く思っていない竹子の母は結婚を勧めているが、当の本人は乗り気ではない。この日も、倉金が骨董品店に現れると逃げるようにして家を出て行き、バード・ウォッチングに出かけた。竹子は仕事仲間でフリーカメラマンの宇達に倉金のことを話すが、ひそかに竹子を好いている宇達からそのことをからかわれてしまう。 竹子が帰宅すると、骨董品店にヨドバという男が珍しいカメラの売り込みに来ていたが、竹子の父に買取を断られる。竹子は彼が持ってきたその珍しいカメラに興味を示し、こっそり家へと招き入れる。ヨドバが持ってきたのは4つのドットで被写体の価値を計る「値ぶみカメラ」であり、左上のドットは原材料費の「本価」、右上は「市価」(カメラの場合だと正札価格)、左下はこれから生み出す利益を計る「産価」が出ると説明する。しかし、4つ目の説明の前に現れた竹子の母に追い出されてしまったヨドバは、慌てて逃げ帰ったために値ぶみカメラを竹子の部屋に忘れてしまう。 翌日、江戸前期の赤絵が骨董品店に持ち込まれる、竹子の父は買取に乗り気になるが、それをこっそり見ていた竹子は、値ぶみカメラで赤絵の市価をはかってみることにする。すると、赤絵は価値が全くない偽物であることが判明する。竹子は父にそのことを話すが、相手にされない。そこへ、竹子を音楽会に誘っていた倉金が迎えに現れ、赤絵が偽物であることを暴く。そのまま音楽会へ連れて行かれた竹子は、倉金にプロポーズをされて返事を求められる。 はっきりとした返事をしないため、強引な倉金に家に帰してもらえない竹子は、値ぶみカメラで倉金の価値を計って見る。そこで表示された産価は、文句の付けようのない大きな額であった。そこへ宇達が現れ、倉金と竹子の取り合いを始める。竹子は宇達の価値も計ってみるが、産価は倉金とは比べものにならない額であった。そこにまたヨドバが現れる。値ぶみカメラの代金を請求するが、竹子に返されてしまったヨドバは、4つ目のドットの説明を始める。一方で竹子は、倉金と宇達のどっちを選ぶかを迫られる。悩んだ末に竹子が選んだのは、青年実業家・倉持への玉の輿ではなく、貧乏カメラマン・宇達への真実の恋であった。 右下のドットは、被写体の自分にとっての価値を計る「自価」。ヨドバが押した竹子にとっての宇達の自価は、桁が大きすぎて表示しきれないほどの額であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「値ぶみカメラ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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