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『傾物語』(カブキモノガタリ)は、西尾維新による青春怪異小説。〈物語〉シリーズ第5弾(通巻8巻目)、新章(セカンドシーズン)第2弾として2010年12月27日に講談社BOX(講談社)より刊行された。イラストはVOFANが担当している。 == 概要 == 21世紀初頭〔設定年代については作中の会話で『ハートキャッチプリキュア!』の放送や期間限定発売のハーゲンダッツについて言及している箇所があるものの、「現代」「11年前」という風にぼかして表現されている。〕の地方都市を舞台に様々な怪異が登場する〈物語〉シリーズの作品。時系列的には本シリーズの主人公である阿良々木暦(あららぎこよみ)の高校三年の夏休み最終日の8月20日〔本作の登場人物が通う私立直江津高校では夏休みが他の地方より短く、8月21日から二学期が始まるという設定になっている。〕から開始し、『偽物語(下)』の後日、『猫物語(白)』の直前にあたる。 話数表記およびサブタイトルは第閑話〔当初は『偽物語』最終話「つきひフェニックス」で完結する予定だった。『猫物語』以降の話では話数ナンバリングの代わりに漢字が振られている。〕「まよいキョンシー」とされており、『化物語』第二話「まよいマイマイ」のヒロインだった迷子の少女・八九寺真宵(はちくじまよい)に纏わる物語となっている。パッケージおよび口絵イラストも真宵がメインで描かれているが、本文中では彼女自身の登場シーンは少なく、暦と忍野忍(おしのしのぶ)の2人を中心に話が展開する。このため、作者の西尾は真宵についてはもう一冊「まよいスタート」という話を書くかもしれないと語っている〔メディアファクトリー刊 ダ・ヴィンチ 2011年4月号 p.23〕。 本書でもメタフィクション発言は健在で、時系列的には未来となる『猫物語(白)』の感想が語られたり、読者を意識した発言などがある。また、本シリーズで初めて「タイムトラベル」が作中で扱われており、『ドラえもん』、『GS美神』、『ドラゴンボール』といったタイムトラベルを扱った漫画に対する言及がある。セカンドシーズンは「つばさタイガー」は羽川翼視点、「するがデビル」は神原駿河視点…という風に基本的にサブタイトルに冠されているヒロインが語り部となっているが、本作は例外的にファーストシーズンと同様に暦が語り部で展開されている。真宵を語り部にする案も一応は検討はされたとの事〔『傾物語』本文 p.47より。後に『鬼物語』にて真宵が「怪異は語り部になれない」と発言している〕。 なお、本作は2009年に刊行された『偽物語(下)』の巻末にて予告されていたが、当時の予告と本編には相違点がある。本書のあとがきでは当初の予定から大きく変更されたことが語られている。 オリコン調べによる販売部数は発売から4週間で約16万部となっている〔オリコンスタイルBOOK(総合)週間ランキング 2011年1月24日付〕。 2013年に「〈物語〉シリーズ セカンドシーズン」のエピソードの一つとして、テレビアニメ化された〔西尾維新アニメプロジェクト 〕。 『傾物語』の放送開始日である2013年8月17日の読売新聞の朝刊には、書き下ろしの短々編「まよいキャッスル」が掲載された。こちらは真宵が語り部を務めている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「傾物語」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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