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先代旧事本紀大成経[せんだいくじほんきたいせいきょう] 先代旧事本紀大成経(せんだいくじほんきたいせいきょう、先代舊事本紀大成經)は、『先代旧事本紀』を基に江戸時代に作られたと推測される偽書。この文献をめぐって「大成経事件」(先代旧事本紀大成経事件、伊雑宮事件)が起こった。
== 先代旧事本紀大成経事件 == 1679年(延宝7年)、江戸の書店で『先代旧事本紀大成経』(七十二巻本)〔本項目で解説した書は「延宝版」、「潮音本」、「七十二巻本」などと呼ばれることがある。『鷦鷯(ささき、さざき)伝本先代旧事本紀大成経(大成経鷦鷯伝)』(三十一巻本、1670年(寛文10年)刊)及び『白河本旧事紀』(伯家伝、三十巻本)は異本。すべて『先代旧事本紀』を基にして江戸時代に創作されたと言われている。後に多数現れる「古史古伝」のルーツ、種本とみる人もいる。〕と呼ばれる書物が発見された〔1675年(延宝3年)、江戸の版元「戸嶋惣兵衛」より『聖徳太子五憲法』と称する書物が刊行された。この書物は聖徳太子の憲法は「通蒙憲法」「政家憲法」「儒士憲法」「釈氏憲法」「神職憲法」の五憲法であり、「通蒙憲法」が日本書紀の十七条憲法であるとする。1679年(延宝7年)に現れた『先代旧事本紀大成経』巻七十「憲法本紀」は1675年(延宝3年)の『聖徳太子五憲法』と同じ内容である。〕。この大成経の内容が公開されると大きな話題となり、学者や神職、僧侶の間で広く読まれるようになった。しかし、大成経の内容は伊勢神宮別宮の伊雑宮の神職が主張していた、伊雑宮が日神を祀る社であり内宮・外宮は星神・月神を祀るものであるという説を裏づけるようなものであることがわかり、内宮・外宮の神職がこの書の内容について幕府に詮議を求めた。 1681年(天和元年)、幕府は大成経を偽書と断定し、江戸の版元「戸嶋惣兵衛」、書店にこの書物を持ち込んだ神道家・永野采女と僧 ・潮音道海〔潮音道海(ちょうおんどうかい、1628年-95年)は黄檗宗の僧。著書に『摧邪輪(さいじゃりん)』『坐禅論』『霧海南針』などがある。〕、偽作を依頼したとされた伊雑宮の神職らを処罰した。後に大成経を始めとする由緒の明らかでない書物の出版・販売が禁止された。しかし、幕府の目を掻い潜って大成経は出回り続け、垂加神道などに影響を与えている。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「先代旧事本紀大成経」の詳細全文を読む
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