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先天性表皮水疱症 : ウィキペディア日本語版
水疱症[すいほうしょう]
水疱症(すいほうしょう)とは、水疱(水ぶくれ)やびらんを生じる疾患をまとめて称する(ウイルス性・細菌性疾患や熱傷などの物理的刺激による水疱形成を除く)。遺伝子の異常による先天性のものと、自己免疫によるものに大別される。
== 分類 ==

=== 天疱瘡 ===
(英:Pemphigus)
;尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)
:表皮内基底層直上に水疱ができる疾患である。天疱瘡のうち65%を占め、中高年に多い。口腔内病変が非常に多いのが特徴である。口腔のほか、咽頭外陰部がよく侵される。Nikolsky現象陽性、Tzanck試験陽性である。蛍光抗体直接法で、表皮細胞間にIgGやC3の沈着を見る。蛍光抗体間接法でも表皮細胞間に陽性となる。デスモグレイン1、デスモグレイン3に対する自己抗体(抗デスモゾーム抗体)によっておこる自己免疫疾患と考えられている。治療は副腎ステロイドの内服(40-60mg/日)となる。治療抵抗性のものでは、免疫抑制剤血漿交換を行う。
;落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)
:角質層下に水疱ができる疾患であるが、すぐ破損して浅いびらんと紅斑のみとなっていることが多い。デスモグレイン1に対する自己抗体のみを血清中に有し、口腔粘膜病変はほとんどみられることはない。Nikolsky現象陽性、Tzanck試験陽性で蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgG/C3の沈着がある。治療は尋常性天疱瘡に準ずる。
;増殖性天疱瘡(ぞうしょくせいてんぽうそう)
:尋常性天疱瘡と同様の部位に同様の症状で始まるがびらん面が再上皮化することなく次第に隆起してくる。表面が乳頭状、しばしば小水疱や小膿疱を有する。治療は尋常性天疱瘡に準ずる。
;紅斑性天疱瘡(こうはんせいてんぽうそう)
:顔面正中部を中心とした紅斑を特徴とし体幹にも小水疱・紅斑を主体とする天疱瘡様の皮疹を生じる。デスモグレイン1に対する自己抗体を有し、落葉状天疱瘡に移行することがある(そもそも落葉状天疱瘡の亜型であるとも言われる)。
;腫瘍随伴性天疱瘡(しゅようずいはんせいてんぽうそう)
:悪性腫瘍や血液系腫瘍(とくにリンパ球系)に合併して生じる。口腔、眼粘膜が強く侵され(鼻腔、外陰部も)皮疹は多彩であるが比較的限局して生じる。肺疾患を合併することがあり、予後に大きく影響する。
;IgA天疱瘡
:小水疱、小膿疱よりなる皮疹で、血中に表皮細胞間物質に対するIgA抗体を有する。蛍光抗体直接法で、表皮細胞間にIgAの沈着を認める。(間接法は抗体価によっては陽性とならないこともある)

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「水疱症」の詳細全文を読む



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