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児島湖[こじまこ]
児島湖(こじまこ)は、岡山県南部、児島湾の湾奥にある人工湖。面積10.9km2、有効貯水量約1,800万m3〔『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 2』、TBSブリタニカ、1973年初版/1991年第2版改訂、986頁「児島湖」項。〕。日本で最初に作られた人造湖である〔『日本大百科全書 9』、小学館、1986年、290頁「児島湖」項(由比浜省吾著)。〕〔『岡山県大百科事典 上』、山陽新聞社、昭和55年、1007頁「児島湖」項(元田弘祐著)。〕。 == 概要 == 児島湾の湾奥を締切堤防によって締め切って造られた人工湖である。かつては児島湾の一部であったが、1959年に旭川河口の岡山港と対岸の児島半島との間に1,558mの淡水湖堰堤 (児島湾締切堤防) が完成し、児島湾の西部が淡水化されて児島湖となった〔。児島湾周辺の干拓によって増加した農地の用水確保と塩害・高潮被害の防止、低湿地の排水と干拓堤防の強化を目的として造成された〔〔〔。ダム湖を除いた人造湖としてはオランダのアイセル湖に次ぐ世界で2番目の広さを持つ〔〔。貯水量は2,607万トン、流域面積は543.7km3。流域内人口は67万2千人で、岡山県の人口の3分の1に達する〔児島湖ハンドブック - 岡山県、平成27年3月。〕。 湖水の塩分濃度は完工当初は1000分の8以下、1970年代には1000分の0.2-0.3に低下し、農業用水としてはもちろん、工業用水としても使用可能となった。受益農地は5,140ヘクタール〔。 一方で漁業に対しては負の影響を与えた。児島湾はもともと水深が浅くて塩分濃度が薄く、干潟の形成も相俟って魚の宝庫で、児島湾独自の漁法も多くみられたが、相次ぐ干拓と児島湾の誕生により漁場を失い、衰退した〔。また、明治期に設立され、ハイガイやモガイの養殖などを手掛けてきた児島養貝会社も、児島湖淡水化事業により事業を廃止した〔『岡山県大百科事典 上』、山陽新聞社、昭和55年、1012頁「児島養貝会社」項(由比浜省吾著)。〕。 戦後の高度経済成長によりかつての干拓地が急速に住宅地化したことで、流入する笹ヶ瀬川や倉敷川、妹尾川を通じ湖水の汚染が広がった〔〔。日本でもっとも水質汚染の激しい湖沼のひとつ〔児島湖ハンドブック 51-52ページによれば、2013年(平成25年)のCOD平均値は6.7mg/lで全国ワースト11位。平成16年から平成25年まで、ワースト9位から14位の間で推移している。〕とされ、春先から夏場にかけては湖一帯で悪臭の発生することがある。湖沼水質保全特別措置法指定湖沼。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「児島湖」の詳細全文を読む
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