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入れ墨 : ウィキペディア日本語版
入れ墨[いれずみ]

入れ墨(いれずみ)とは、針・刃物・骨片などで皮膚に傷をつけ、その傷に墨汁・朱・酸化鉄などの色素を入れ着色し、文様・文字・絵柄などを描く手法、および、その手法を使って描かれたものである。
== 起源 ==

入れ墨は比較的簡単な技術であり、野外で植物のが刺さったり怪我をしたりした際に、入れ墨と同様の着色が自然に起こることがあるため、体毛の少ない現生人類の誕生以降、比較的早期に発生し普遍的に継承されて来た身体装飾技術と推測されている。
古代人の皮膚から入れ墨が確認された例としては、アルプスの氷河から発見された5300年前のアイスマンが有名であり、その体には入れ墨のような文様が見つかっている〔アイスマンの足に残されていた入れ墨状の文様 〕。
また、1993年に発掘された2,500年前のアルタイ王女のミイラは、腕の皮膚に施された入れ墨がほぼ完全な形で残されたまま発掘されている。
日本の縄文時代に作成された土偶の表面に見られる文様〔
入れ墨状の線が刻まれた土偶の例1
例2
〕〔英語版Wikipediaの「土偶」項目中の説明には、

"Most have marks on the face, chest and shoulders, which suggest tattooing and probable incision with bamboo."

と記載されている。
〕は、世界的に見ても古い時代の入れ墨を表現したものと考えられており、縄文人と文化的関係が深いとされる蝦夷アイヌ民族の間に入れ墨文化が存在(後述)したため、これも傍証とされる。
続く弥生時代にあたる3世紀の倭人(日本列島の住民)について記した『魏志倭人伝』中には、「男子皆黥面文身」との記述があり、黥面とは顔に入れ墨を施すことであり、文身とは身体に入れ墨を施すことであるため、これが現在確認されている日本の入れ墨の最古の記録である。
また『魏志倭人伝』と後の『後漢書東夷伝』には、
*「男子皆黥面文身以其文左右大小別尊之差」(魏志倭人伝)
*「諸国文身各異或左或右或大或小尊卑有差」(後漢書東夷伝)
と、共通した内容の入れ墨に関する記述が存在し、入れ墨の位置や大小によって社会的身分の差を表示していたことや、当時の倭人諸国の間で各々異なった図案の入れ墨が用いられていたことが述べられている。魏志倭人伝では、これら倭人の入れ墨に対して、中国大陸の揚子江沿岸地域にあった呉越地方の住民習俗との近似性を見出し、『断髪文身以避蛟龍之害』と、他の生物を威嚇する効果を期待した性質のものと記している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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