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全実性[ぜんじつせい] 全実性(ぜんじつせい 英:holocarpy)とは、菌類学の用語で、栄養体の全部が生殖細胞に変わることを指す。対義語は分実性(ぶんじつせい 英:eucarpy)である。 ==内容== たとえばフクロカビ(''Olpidium'')は、植物などの細胞内に寄生する、単細胞性の菌類である。栄養体は袋状の細胞がすべてで、成長すると、その内部がすべて遊走子となり、細胞の一端に生じた放出管を通じて外部に出て行く。このように、栄養体の内部が、すべて生殖細胞となるものを全実性という。これに対して、ツボカビ(''Chitridium'')では、本体は休憩の細胞ではあるが、その一端から宿主内に枝状の仮根性菌糸を伸ばす。遊走子は、やはり球形の細胞内が変化して生じるが、この場合は分実性という。 全実性の菌は、細胞本体の表面のみで栄養吸収し、それ以外に菌糸や栄養吸収のための構造を発達させないものである。この形になるのは、その性質から言えば、細胞内寄生や、体液の中に浮遊する形の寄生、栄養となるものの中に浮遊する形の単細胞性の構造を作るものである。分類群の上では、古い用語での鞭毛菌に類するものにこの語を当てるものが多い。 酵母もこれに当たるが、酵母型の菌の場合、通常は内部に胞子を作る形の繁殖法をとらない。子嚢菌系のものでは、子嚢胞子を内部に作る例があり、その場合、この語を当てることも可能であるが、普通は使わない。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「全実性」の詳細全文を読む
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