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全身性炎症反応症候群 : ウィキペディア日本語版
全身性炎症反応症候群[ぜんしんせいえんしょうはんのうしょうこうぐん]

全身性炎症反応症候群(、SIRS)は、各種の侵襲によって誘引された全身性の急性炎症反応による症候。致命的な多臓器不全状態の前段階として、非常に重要な概念である。
== 概要 ==

SIRSは、従来の敗血症の概念を整理するなかで、1992年、ACCPおよびSCCMによって提唱されたものである。ACCPとSCCMの合同カンファレンスにおいて、敗血症と同様の病態は、細菌感染以外の様々な侵襲によっても発生していることが指摘され、この病態を指してSIRSという言葉が使われた。
SIRSの本質は、侵襲に対応して免疫細胞が血中に放出した大量の炎症性サイトカインによる全身性の急性炎症反応である。SIRSを誘発しうる侵襲としては、細菌感染のほかに、外傷や手術、出血性ショック、熱傷、膵炎などがある。
SIRSは、Secondary MOFに発展しうるという点で、非常に重要である。多臓器不全(MOF)は往々にして致命的な転帰をたどることから、SIRSの段階で集中治療を行ない、多臓器不全状態への発展を阻止することが求められる。
なお、SIRSが炎症性サイトカインによって惹起されるのに対し、抗炎症性サイトカインによって免疫不全状態が惹起される代償性抗炎症性反応症候群(CARS)という概念も登場している。生体内においては、SIRSとCARSが混合した、MARSと呼ばれる状態であることが多い。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「全身性炎症反応症候群」の詳細全文を読む



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