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公条本源氏物語[きんえだほんげんじものがたり]
公条本源氏物語(きんえだほんげんじものがたり)とは、源氏物語の写本の一つ。 == 概要 == 三条西公条(1487年(文明19年)から1563年(永禄6年))によるとされる源氏物語の写本であるが、奥書・識語の類は無く、古筆鑑定なども無いためいかなる理由で三条西公条のものとされているのかは不明である。本写本は巻ごとに、また桐壺など一部の巻では巻の途中でも筆跡の変わる寄合書である。本書の筆跡は概ね4つに分かれるが、そのいずれもが「やや稚拙」と言えるもので、三条西公条のような古典の書写になれている人物によるとは思えないような稚拙な書体であり、三条西公条の筆跡として確実であると思われる日本大学所蔵の三条西家本の三条西公条の筆跡などとは一致しない。表紙については改装した痕跡が認められ、反古紙を表紙に再利用しているなどそれほど高級な作りではない。全体的に保存状態は良くなく、部分的にかなりの虫食いがある場所も見られる。 本写本は、書誌学的観点からの分析によれば江戸時代後期又は中期をそれほど遡らない時代に書写したと見られるもので、使用されている紙の加速器質量分析法による<14>^C年代測定でも同程度の時代の成立であるとの結果が得られている〔横井孝、小田寛貴、野村精一、中村俊夫、上野英子、丹生越子「山岸文庫蔵『伝公条本源氏物語』のAMS<14>^C年代」名古屋大学年代測定資料研究センター天然放射性元素測定小委員会『名古屋大学加速器質量分析計業績報告書』v.12、 2001年、pp. 80-88。 〕〔小田寛貴、横井孝、野村精一、上野英子、丹生越子、中村俊夫「加速器質量分析法による山岸文庫蔵『伝公条本源氏物語』の<14>^C年代測定(調査報告五十五-二) 」実践女子大学文芸資料研究所編『実践女子大学文芸資料研究所 年報』第21号、2002年(平成14年)3月20日、pp. 1-15。 〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「公条本源氏物語」の詳細全文を読む
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