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フッ化タングステン(VI)[ふっかたんぐすてん]
六フッ化タングステンもしくはフッ化タングステン(VI)はWF6の組成式で表されるフッ素とタングステンからなる無機化合物である。標準状態では腐食性を有する無色の気体であり、その密度はおよそ13 g/Lと空気の約11倍重く〔Gas chart 〕、標準状態において気体である既知の物質の中でも最も重い物質の一つである〔。WF6は集積回路やプリント基板の製造において低抵抗の金属配線層を形成するのに利用される。これは化学気相蒸着法を用いて基板上でWF6を分解させることによって金属タングステンを堆積させるものである。 == 性質 == WF6の1気圧における沸点は17.1であるため、標準状態では気体として存在している。無色で反磁性を有する。WF6分子は点群Ohで表される正八面体構造を取る。タングステン原子とフッ素原子間のW-F結合の結合距離は183.2 pmである。融点は2.3であり、2.3から17.1の狭い温度範囲においては凝縮して淡黄色の液体となる。液体状態での密度は15において3.44 g/cm3。2.3以下で凝固して白色の立方晶固体となる。固体状態における格子定数は628 pm、計算密度は3.99 g/cm3である。-9以下で斜方晶に転移し、その格子定数はa = 960.3 pm、b = 871.3 pm、c = 504.4 pmであり、密度は4.56 g/cm3。この相でのW-F結合の結合距離は181 pmであり、最近接分子間距離は312 pmである。気体状態のWF6ガスは最も重い気体元素であるラドンの9.73 g/Lよりもさらに重いが、一方で液体および固体のWF6の密度はむしろ中程度である。WF6の蒸気圧は- 70から17の間では以下の式で記述することができる〔Cady, G.H.; Hargreaves, G.B, “Vapour Pressures of Some Fluorides And Oxyfluorides of Molybdenum, Tungsten, Rhenium, and Osmium,” Journal of the Chemical Society, APR 1961, pp. 1568-& DOI: 10.1039/jr9610001568 〕〔 〕。 :log10(P) = 4.55569 − (1021.208/ (T+208.45)) :P = 蒸気圧 (bar)、T = 温度(°C)。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フッ化タングステン(VI)」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Tungsten hexafluoride 」があります。
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