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共通漁業政策(きょうつうぎょぎょうせいさく)とは、欧州連合 (EU) の漁業政策。英語の Common Fisheries Policy から CFP と略される。共通漁業政策では様々な市場介入によって漁業を振興しているほか、加盟国ごとの魚の種類ごとの漁獲制限量を設定している。2014年から2020年までの7年間に、共通漁業政策に対してEUから約65億ユーロの予算が充てられる計画である〔http://www.europarl.europa.eu/aboutparliament/en/displayFtu.html?ftuId=FTU_5.3.4.html 欧州議会サイト(英語、ほか22言語)〕が、これは予算全体のおよそ0.65%を占めている〔http://www.consilium.europa.eu/uedocs/cms_Data/docs/pressdata/en/ecofin/139831.pdf 欧州連合理事会サイト(英語、ほか23言語)〕。 2009年12月に発効したリスボン条約では、「共通漁業政策のうち海洋生物資源の維持に関するもの」がEUに与えられる「排他的権限」の1つとして明記された〔欧州連合の機能に関する条約第3条第1項d号。〕一方、「漁業政策(海洋生物資源の維持に関するものを除く。)」は加盟国と欧州連合との間で権限を共有するものとされた〔欧州連合の機能に関する条約第4条第2項d号。〕。共通漁業政策に関する重要な規則は、加盟国の漁業担当閣僚による漁業理事会と欧州議会とによって制定される。 共通漁業政策はEU全体の水産資源の管理のために設定されたものである。ローマ条約第38条〔1958年の発効当初の条文番号。その後のアムステルダム条約による修正で第32条となり、リスボン条約による修正で欧州連合の機能に関する条約第38条となった。〕では漁業についての共通政策がなされるべきであるとうたわれている。 == 漁業の重要性 == 漁業はEUの経済活動としては比較的小規模である。漁業から発生する域内総生産 (GDP) の額はEU全体の1%に満たないものである。しかしながら、EU全体で見ると、漁業及び養殖業にフルタイムで従事している者は約17万人に及ぶとともに、大小合わせて約83,000隻の漁船を有している。2009年には約637万トンの魚介類を水揚げしているが、これは世界第5位である。また2010年には約174万トンが域外に輸出されており、一方で約534万トンの魚介類が輸入されている。EUの水産物貿易における赤字額は約14億ユーロとなっている〔http://ec.europa.eu/fisheries/documentation/publications/pcp_en.pdf 欧州委員会サイト "Facts and figures on the CFP"(英語、ほか21言語)〕。 スコットランドのFraserburghや Peterheadのように、漁業が全雇用の40%を占めている地域も存在する。漁業以外に従事する労働がないという地域の振興策として、EUの資金を漁業に投下しているという側面もある。 魚介類、水産加工品市場は近年変化してきている。魚介類の主要な買手はスーパーマーケットで、安定した供給量が見込まれる。鮮魚の売り上げ額は下降しているが、水産加工品や調理済み食品の需要は伸びてきている。しかしながら水産加工業の雇用は下落しており、EUで消費される魚介類の60%が域外からの輸入となっている。これは鮮魚を世界中で運ぶ技術が向上したということもひとつの理由となっている。EUの水産業の競争力は過剰設備と漁獲量の不足が影響を与えている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「共通漁業政策」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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