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オールトの雲(オールトのくも)あるいはオールト雲(オールトうん)とは、太陽系を球殻状に取り巻いていると考えられる仮想的な天体群をいう。オランダの天文学者ヤン・オールトが長周期彗星や非周期彗星の起源として1950年に提唱した〔J.H.Oort, 1951, The Observatory Vol.71, No.863, 129-144〕。存在を仮定されている天体は、水・一酸化炭素・二酸化炭素・メタンなどの氷が主成分であると考えられている。 == 概要 == オールトの雲は、概ね太陽から1万天文単位(AU)もしくは太陽の重力が他の恒星や銀河系の重力と同程度になる10万天文単位(1.58光年)の間に球殻状に広がっているとされる。その存在は彗星の軌道長半径と軌道傾斜角の分布の統計に基づく状況証拠のみであり、想定される領域に天体が直接観測された訳ではないので仮説の域を出ないが、仮説を否定する証拠も現在のところ特に無い。 オールトの雲には1(1兆個)単位の数の天体が含まれると推測されている〔de Pater and Lissauer, Planetary Sciences, Cambridge University Press, 2001, ISBN 0-521-48219-4〕。その起源は、太陽系の形成と進化の過程で、現在の木星軌道付近から海王星軌道付近までに存在していた小天体が、巨大惑星の重力や相互衝突により軌道要素が変わり、近日点距離が海王星軌道の半径よりも大きな長楕円軌道に移ったとする説が有力である。この説によると、もともと海王星軌道の外側にあった天体は、エッジワース・カイパーベルト天体として今も残っているということになる。 日本学術会議による2007年4月9日の対外報告(第一報告)では、オールト雲はまだその存在が確認されていないため、現在のところ明確に太陽系外縁天体に含まれるものではないが、将来的には外縁天体の延長と見なされるようになるだろうとされている。 エルンスト・エピックも彗星の起源としてよく似た仮説を発表している為、「エピック・オールトの雲」と言われることもあるが、一般的には「オールトの雲」として知られている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オールトの雲」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Oort cloud 」があります。 スポンサード リンク
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