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内田恒次郎 : ウィキペディア日本語版
内田正雄[うちだ まさお]

内田 正雄(うちだ まさお、1839年1月5日天保9年11月20日) - 1876年明治9年)2月1日)は江戸時代末期から明治時代初期にかけての日本洋学者。旧幕臣。通称・恒次郎
昌平黌長崎海軍伝習所で学び、文久2年(1862年)にオランダ留学明治維新後、大学南校で教える。官版世界地理書『輿地誌略』を刊行した。
== 来歴 ==
天保9年(1838年)、小普請組・石川主水支配下の300石の幕臣・万年三郎兵衛の二男として江戸に生まれる。実名は正章、通称は恒次郎。幼いころより学問を好み神童と呼ばれるも剣術家としても知られていた。
安政4年(1857年)、前年に受験した昌平黌の学問吟味に甲科及第し、好成績で非常な秀才と認められる。この頃、蘭学塾に入り、赤松則良からオランダ語の指導を受ける。長崎海軍伝習所三期生として選抜され伝習所で航海術と測量法を学び、さらに語学・世界地理・西洋数学をオランダ人教師から学んだ〔岡田、24頁。〕。
安政6年(1859年)に伝習所が廃止された後も長崎にとどまり、微分・積分など数学の個人教授を受けた。同年、江戸へ戻り軍艦操練所の教授方手伝となった〔。
万延元年(1860年)、1,500石の旗本・内田主膳の婿養子となり内田姓となる。文久元年(1861年)、正式に軍艦操練所教授方となった。また、榎本武揚とともに軍艦組出役となった。
文久2年(1862年)、幕府のオランダへの軍艦(後の開陽)発注に伴い派遣されるオランダ留学生として榎本武揚・赤松則良澤太郎左衛門西周津田真道ら15人を率いて9月11日に出航。途上、ボルネオ島の近海で海難事故に遭い、蘭領バタヴィア(現在のジャカルタ)で一ヶ月滞在する。その際、市内や周辺のスケッチを行い、文献や資料を収集した。
再びオランダ船でインド洋を西航し、喜望峰を回り、大西洋を北上し、出航から7ヶ月後の文久3年(1863年)4月、ロッテルダムに到着した。オランダ滞在中、「開陽」の建造を見守りつつ同地で船具、運用術砲術などを学ぶ。内田は一行の中で最も身分の高い直参旗本であったことから留学生の代表である取締役を命じられ、資金の管理、第2回遣欧使節団の応接、パリ万博の幕府側出品交渉役など多岐にわたる職務も担当した。渡欧中は軍事だけでなく美術に強い関心を抱き、美術品を収集、油彩画を購入して後に日本へ持ち込み明治初期の博覧会へ繰り返し出品し、これは明治初期の貴重な西洋画教材となった〔。
元治元年(1864年)、ドルトレヒトで建造中の軍艦に「開陽」と命名。フランスへ二度出張し、フランス海軍の動向を視察し、イギリスにも出張した。慶応2年(1866年)、「開陽」が完成し、留学生らの手によってオランダよりマゼラン海峡ケープタウンを経由してインド洋から日本まで世界一周を果たして慶応3年(1867年)3月、日本へ帰還した。
帰国後、軍艦頭まで昇進し、軍艦操練所にて陸上勤務を務めた。しかし明治維新による政権交代により海軍を除隊し軍事職を辞任。
維新後は名を正雄と改めた。明治政府に招かれると、学校取調御用掛を務め、大学南校の官吏となる。その傍ら多くの著作を成し、代表作として世界一周の経験をもとにして地理書『輿地誌略』がある。『輿地誌略』は世界の国勢や政体・風俗・歴史を5つの地域に分けて図版を多く交えて書いた啓蒙的なもので福澤諭吉の『学問のすゝめ』や中村正直の『西国立志編』と並んで明治の三書と称されるベストセラーになり、当時の各府県の小学校、師範学校の教科書としても用いられた〔増野恵子 「見える民族・見えない民族 : 『輿地誌略』の世界観 」(『版画と写真 19世紀後半 : 出来事とイメージの創出』 神奈川大学21世紀COEプログラム「人類文化研究のための非文字資料の体系化」研究推進会議、2006年3月)。〕。
美術に関する見識を買われ、博物局長・町田久成に招かれ、墺国博覧会事務局へ出向し壬申検査に参加する。
明治6年(1873年)に辞官し、翻訳著述に専念するも明治9年(1876年)に病で死去した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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