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内閣総理大臣専用車(ないかくそうりだいじんせんようしゃ)は、日本国の内閣総理大臣が使用する公用リムジンである。 == 概要 == 2016年現在では、いずれもトヨタ自動車製の「センチュリー」および「レクサスLS600hL」の2車種が併用されている。 内閣総理大臣が外出のため移動する際は、公用・私用(選挙の遊説も含む)問わず総理専用車を使用し、警視庁のセキュリティポリス(SP)による身辺警護がなされる〔警視庁の管轄区域(東京都)外では各都道府県警察本部警備部に所属する要人警護担当警察官も警護に加わる。〕。 総理専用車はテロ対策として、防弾ガラスや特殊鋼の装甲が施された防弾車仕様であるが、セキュリティ上の理由から詳しいスペックは明らかにされていない。他の国務大臣の公用車には防弾改造は施されておらず、この点でも日本国政府のトップたる総理専用車は特別な扱いである。フロントグリルの内または外およびリアバンパーには、LED光源の青灯が装備されており、総理大臣乗車時にはこれを点灯させて走る。 運転手は総理大臣官邸の職員(内閣技官)。内閣総辞職と共に退任し、新しい首相が誕生すると選任される。 一般の自動車と同様にナンバープレートを取得しているが〔国土交通省東京運輸支局本庁舎の管轄区域のため、ナンバープレートに表記される運輸局記号は「品川」である。〕、老朽化等で車両の入れ替えがあっても番号が不変であるのが特徴的である。車検証上の所有者は内閣である。 回送時を除いて総理専用車が単独で移動することはなく、コンボイ(関係車両による車列)を組んで走る。総理専用車の助手席にSPキャップが同乗するほか、これを挟む形で前後2台の警護車(いずれもSPが複数名乗車する覆面パトカー)を加えた3台が車列の最小構成単位であり、あとは状況に応じ、車列に警護車や白黒パトカーが増えたり、共同通信社と時事通信社所属の総理大臣担当記者(番記者)が乗るいわゆる「番車」や、随行する官僚の公用車が加わる。 なお、車列の最小構成単位の3台(総理専用車と2台の警護車)は可能な限りメーカーが統一される。現在の総理専用車は上記の通りいずれもトヨタ自動車製であることから、警護車もこれに倣って「センチュリー」、「セルシオ」、「クラウンマジェスタ」といったトヨタ製の大型セダンが使われ、車体色も黒で統一される〔警護車が増車される場合や地方での運用等の場合は、「ランドクルーザープラド」などのSUVや、トヨタ製以外の車種(日産「フーガ」やホンダ「レジェンド」、スバル「レガシィ」など)も使われる。〕。 同様に政治家である総理大臣は移動ルートが頻繁に変わるので、移動タイミングに合わせて信号機をすべて青にするなどの特別措置は基本的に取られず、赤信号でも停車するなど道路交通法を遵守しながら走行する。但し、総理大臣の身の安全を最優先とする観点から、危険が予知される場合には警護車に乗車するSPが箱乗りをしながら赤色の誘導棒を振り回して四囲の一般車両を適宜規制する。この対応でも危険を排除できない場合は、警察の緊急自動車に誘導されている他の車両は緊急自動車とみなす法令上の規定に則り〔道路交通法施行令第13条第2項。〕、先導警護車(覆面パトカー)の緊急走行に従って総理専用車も緊急走行し、危険から逃れる。 平常時では、総理専用車に先行する警護車は周囲に不審な車両や人物がないか常に警戒し、後続の警護車は後方から車列に近付く不審車等がないか目を光らせるとともに、交差点では急加速して総理専用車の外側に回り込み、横からの突進に備える。過去には、当時の小泉純一郎総理の乗った信号待ち中の車列を左後方から強引に追い抜こうとした不穏なミニバイク〔33歳の会社員男性が運転しており、暴漢などではなかった〕の行く手を、SPが警護車のドアを開けて阻止するという強行措置が取られた〔2003年12月3日、東京都渋谷区の交差点にて。本来は後方不注意にあたり、人身事故となった場合は責任を問われる〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「内閣総理大臣専用車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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