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円分体 : ウィキペディア日本語版
円分体[えんぶんたい]
円分体 (えんぶんたい、) は、有理数体に、1 の m(>2) 乗根 \scriptstyle\zeta(\ne\pm 1) を添加した代数体である。円分体およびその部分体のことを円体ともいう。
以下において、特に断らない限り、\zeta_n = e^ とする。
== 性質 ==

* 3 以上の整数 ''m'' に対して、円分体 \scriptstyle\mathbb(\zeta_m)拡大次数 \scriptstyle は、\scriptstyle\varphi(m) である。但し、\scriptstyle\varphi(n)オイラー関数である。
* 任意の円分体は、ガロア拡大体であり、ガロア群は、アーベル群である。
* 3 以上の整数 ''m'' に対して、\scriptstyle m = p_1^\cdots p_r^ (\scriptstyle p_1,\ldots,\ p_r は、相異なる素数\scriptstyle e_1,\ldots,e_r\ge 1)素因数分解すると、
:: \mathbb(\zeta_m) は、\mathbb(\zeta_),\ldots,\ \mathbb(\zeta_)合成体であり、
:: \operatorname(\mathbb(\zeta_m)/\mathbb)\cong (\mathbb/m\mathbb)^\cong (\mathbb/p_1^\mathbb)^\times\cdots\times (\mathbb/p_r^\mathbb)^
: が成立する。また、円分体 \scriptstyle\mathbb(\zeta_m) で分岐する有理素数〔有理整数である素数のこと。〕は、\scriptstyle p_1,\ldots,\ p_r に限る。
* \scriptstyle\mathbb(\zeta_m)\cap\mathbb = \mathbb(\zeta_m + 1/\zeta_m) である。この\scriptstyle\mathbb(\zeta_m + 1/\zeta_m) を、最大実部分体または実円分体という。
* 一意分解整域である円分体 \scriptstyle\mathbb(\zeta_m) \scriptstyle(m\not\equiv 2 (mod 4))〔m=4k+2 としたとき、\scriptstyle\mathbb(\zeta_m)=\mathbb(\zeta_) であるので、\scriptstyle m\not\equiv 2 (mod 4) としてよい。〕は、''m'' = 3, 4, 5, 7, 8, 9, 11, 12, 13, 15, 16, 17, 19, 20, 21, 24, 25, 27, 28, 32, 33, 35, 36, 40, 44, 45, 48, 60, 84 だけである。
:
* 特に、23 以上の素数 ''p'' に対して、円分体 \scriptstyle\mathbb(\zeta_p) は一意分解整域ではない。
* 類数が 2 である円分体 \scriptstyle\mathbb(\zeta_m) \scriptstyle(m\not\equiv 2 (mod 4)) は、''m'' = 39, 56 だけである。
* 円分体 \scriptstyle\mathbb(\zeta_m) に含まれる代数的整数の集合は、\scriptstyle\mathbb である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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