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冥王代 : ウィキペディア日本語版
冥王代[めいおうだい]

冥王代(めいおうだい、)とは、地質時代の分類のひとつ。地球誕生〜40億年前の5億年間を指す。始生代の前の時代である。この時代に地球が形成され、地殻ができ、有機化合物化学進化の結果、最初の生命が誕生したと考えられている。
化石以前に、岩石自体が非常に希であり、地質学的証拠がほとんどない時代である〔その理由の一つとして、巨大な小惑星が地球に衝突し形成されかけていた地殻がことごとく破壊されたと推測されている(川上紳一・東條文治『図解入門 最新地球史がよく分かる本 』秀和システム 2009年 170ページ)〕。この時代の地層はないため、国際層序委員会ではこの名称を非公式として扱っている〔International Stratigraphic Chart(ICS) 〕。実態が闇に包まれていることからギリシャ神話冥界の神ハーデース(Hades)に因んで名付けられた〔田近英一著 『凍った地球 -スノーボールアースと生命進化の物語-』 新潮社 《新潮選書》 2009年 29ページ 〕。
冥王代、始生代、原生代をまとめて先カンブリア時代と呼ぶ。
非常に稀ながら、45億年前までの岩石は月で発見されている。地球最古の岩石はカナダの北西地域のアカスタの約40億年前の片麻岩、地球最古の鉱物は西オーストラリアのジャックヒルズのクォーツァイトに含まれる44億年前のジルコン、地球最古の地殻の痕跡はカナダのハドソン地域の片麻岩で、マントルからの分離は42億年前である。
細かい区分は、便宜上月の地質時代の「前期インブリウム代」、「ネクタリス代」、先ネクタリス代の「Basin Groups」と「Criptic era」を使う。
==冥王代を研究する方法==
通常地質学で古代の研究を行うには、その時代に作られた地層や岩石を分析して情報を入手し検討する〔岩石には生物の痕跡である化石も含む〕。しかし冥王代については上記のように当時の岩石が殆ど入手できない。1970年代までは地球の情報だけしか得られなかったため冥王代における地球の進化は分からなかったが、太陽系内の他の星や隕石を研究することによって実証的な議論ができるようになった〔「地球進化論」p3〕。また太陽系の形成や、地球誕生時の状況については理論に基づくシミュレーションが行われている。地球や隕石の年代分析については、放射性元素の分解による生成物を定量して年代を計測する放射年代測定が用いられる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「冥王代」の詳細全文を読む



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