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冥王星探査機ニューホライズン : ウィキペディア日本語版
ニュー・ホライズンズ

ニュー・ホライズンズ (New Horizons) はアメリカ航空宇宙局 (NASA) が2006年に打ち上げた、人類初の冥王星を含む太陽系外縁天体〔ただし、打ち上げ時点では冥王星は惑星とされていた(惑星#太陽系の惑星の定義参照)。〕の探査を行う無人探査機である。
== 概要 ==

打ち上げ費用は、ロケット製造費、施設利用費、装置開発経費及びミッション全体の人件費を含み、約7億ドル日本円で約800億円)である。ジョンズ・ホプキンス大学のミッションチームが管制を行っている。
本体の質量は465kg(推進剤77kg含む)。本体を軽量にして、生じた余裕は速度の向上に充てられた。発射後9時間で軌道地球から約38万km)を通過し、13ヵ月後に木星スイングバイした。月軌道および木星までの所要期間は史上最短である。
太陽から遠く太陽電池を使えないため、原子力電池を搭載している。また、冥王星軌道からの通信速度は僅か800bps弱となるため、64Gbit(8GB)相当のフラッシュメモリを搭載し、冥王星探査で取得したデータはメモリに蓄積して、数ヶ月かけて地球へ送り届ける。
ミッション用機器の他に、星条旗、公募した43万人の名前が記録されたCD-ROM、史上初の民間宇宙船スペースシップワンの機体の一部だったカーボンファイバーの破片、冥王星を発見したクライド・トンボーの遺灰が搭載された。遺灰の搭載については打上げ後に公表された。また、2014年には、「New Horizons Message Initiative」が結成された。人類からエイリアンへ向けたデジタル・メッセージを公募して、すべての任務完了後のニュー・ホライズンズに送信する計画である。。
当初、打ち上げは2006年1月12日日本時間)の予定だったが、ロケット本体の点検や天候不順などで再三延期された〔アトラスロケットの燃料タンクに亀裂が生じる可能性があることが判明し、点検のため現地時間11日から17日に延期。さらに天候状態の悪化により18日に、管制施設の停電により19日に延期した。打ち上げが2月3日以降までずれ込んだ場合は木星スイングバイによる増速が不可能となり、冥王星到達が3 - 5年遅れる可能性があった。〕。
打上げ用ロケットの第1段に使われたアトラスVには補助ブースター5基が取りつけられた。史上最も多くのブースターを使用した、アトラスの打上げになった。
打ち上げ直後の対地球速度は毎時3万6千マイル(約16km/s)を越え、歴代の探査機の中で最高速度である〔New Horizons Successfully Performs First Post-Launch Maneuvers 2012年11月23日閲覧〕。これに伴い、切り離したロケットの下段も高速に達し、第2段のセントール小惑星帯に遠日点を持つ人工惑星となり、最終段である第3段のスター48ロケットモーターは探査機を分離した後は徐々に離れつつも、やはり冥王星軌道の外側へ飛んでいく。
冥王星軌道を通過後のニュー・ホライズンズにより、さらにエッジワース・カイパーベルト内の別の太陽系外縁天体を探査することが計画されている。目標となる天体は、日本のすばる望遠鏡も参加して打ち上げ後も捜索が行われ、複数の候補が挙げられた。2015年8月28日に、観測候補としてが選ばれたことが発表された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ニュー・ホライズンズ」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 New Horizons 」があります。



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