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冥途の飛脚 : ウィキペディア日本語版
冥途の飛脚[めいどのひきゃく]
冥途の飛脚』(めいどのひきゃく)とは、人形浄瑠璃の演目のひとつ。全三段、大坂竹本座にて初演。近松門左衛門作。
== あらすじ ==

=== 上之巻 ===
淡路町の段)亀屋忠兵衛はもと大和国新口村の大百姓勝木孫右衛門のせがれであったが、四年以前に大坂淡路町の飛脚問屋亀屋へ養子に出されていた。亀屋では養父に当たる当主はすでに死去し、今は跡継ぎの忠兵衛が店を差配する立場である。だがその忠兵衛は最近新町の遊女梅川に入れあげ、家にもろくに帰らないので店の業務は滞りがちであった。
日も暮れて店じまいの時分、忠兵衛は亀屋を訪れた友人の丹波屋八右衛門から、すでに届いたはずの八右衛門宛の江戸為替五十が届かない理由を問い詰められる。忠兵衛はその金を、惚れあった仲の梅川を身請けする手附けに使ったと打ち明けた。梅川が近々田舎の客に身請けされそうになったので、たまたま手にした八右衛門宛ての五十両を手附けに使ってしまったのだという。土下座して泣きながら待ってくれと頼む忠兵衛、それを見た八右衛門は忠兵衛を許すことにしたが、今度は養母の妙閑から八右衛門の五十両について問いただされる。妙閑は早く八右衛門に五十両を渡せと忠兵衛にせかすが、そんなものはない。進退に窮した忠兵衛は、その場しのぎにありあわせた鬢水入れを紙に包んで小判を装い、それを八右衛門に渡して嘘の受取りも書かせ養母を騙す。八右衛門は帰っていった。
ちょうどその時、大名家の蔵屋敷に届ける三百両が到着し、その金は届ける期日がとっくに過ぎていたので、夜分にもかかわらず忠兵衛自身で急ぎ届けることになった。しかし道の途中で梅川のことが気にかかり、その足はいつのまにか新町のほうへと向いている。はっとこれに気付いた忠兵衛、しかし結局は大事の預り金をそのまま懐にして、梅川のいる新町へとは向うのである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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